WEリーグ第11節S広島R戦では前期の成果を収穫し、後期への飛躍へ繋げる重要な勝利を目指す
セレッソ大阪ヤンマーレディースは三菱重工浦和レッズレディースとの戦いで0-4という痛手を負い、続く日テレ・東京ヴェルディベレーザとの一戦も厳しい試合が予想された。チームへの自己反省の必要性を認識した鳥居塚伸人監督は「甘さが自分にもあった。まずは自己の見直しから始めなければ」と自身に厳しく、そして選手たちは技術面はもちろん、メンタル面でも充実を目指して練習に励んだ。
上位チームを相手に逆風を逆転できるかどうか、浦和戦での敗北からどれだけ回復しているかが試される一戦となった。選手たちのパフォーマンスは望外の好結果を示し、特に前半では積極的な守備でヴェルディベレーザを圧倒。脇阪麗奈キャプテンの絶妙なスルーパスから田中智子が得点を挙げ、WEリーグ初ゴールを記録した。後半に入り、東京NBが反撃を見せる中、セレッソは1点を失うものの、集中力を保ち続け、貴重な勝点1を獲得した。
「選手たちは技術的には1枚上手かった相手に対して、メンタリティの面で立ち向かえた」と評価する鳥居塚監督。副キャプテン荻久保優里も、「ベレーザとの試合は回されることが多い中で、監督からも『自分たちの強みを生かして前から守ること』を伝えられて、浦和戦の敗北を活かして、次のレベルへと導くよう挑んだ」と述べ、この試合を通じてチームの復調と心技体の成長を感じた。鳥居塚監督は、「今後、勝ち点3を獲得するための戦い方をチーム全体が理解し、ピッチ上で具現化することが必要だ。それにより勝利はもっと身近なものとなる」と、チームに更なる飛躍を期待し、次節への意気込みを新たにしている。
今節ではホームの利を活かして、前節の持ち前の粘り強さを勝点3に結び付けたいと強く望んでいる。対峙するのは、以前のリーグカップや皇后杯で接戦を演じたものの敗れたサンフレッチェ広島レジーナ。これまでの戦いを通じて力の差を痛感しているが、その差を埋める為には日頃の練習の質を高め、ハードワークをさらに徹底させることが鍵だと鳥居塚伸人監督は説明する。サイドを活かした攻撃が特徴の広島の強みも理解しているので、「一対一での局面はもちろん、チームとしてもぎりぎりの守りをして、相手に付け入る隙を与えたくない」(百濃実結香)と抱負を語る。守りから攻撃への切り替えの速さを高めつつ、カウンターでのチャンスをうかがい、「相手の守りを賢く崩して点を獲得する」(中西ふう)精緻なパスワークやチームの連携を見せたいと考えている。注目は、アジアカップから帰還した米田博美、中谷莉奈、白垣うのの動向と、新たにトップチームに登録された牧口優花の底力だ。
リーグ前半戦の締めであり、これまでの10試合の様々な経験を通じて、「WEリーグのレベルに心から触れることができた。できたこともできなかったこともあったが、結果を残す上で必要な準備と向き合う大切さを実感した」と監督はみずからの成長を感じている。今節を盛大な勝利で飾り、後半戦に向けた大きな一歩をヨドコウ桜スタジアムで応援者たちと共に踏み出したいと願っている。