サッカー天皇杯決勝 勝者は?
サッカー日本一を決める天皇杯、全日本選手権の103回目の大会が9日、国立競技場で川崎フロンターレと柏レイソルの対戦で幕を閉じました。午後2時から行われたこの歴史的瞬間は、J1リーグの強豪チームである川崎フロンターレと柏レイソルが激突しました。
試合の戦況
3大会ぶりの優勝を目指す川崎フロンターレは、J1リーグで今シーズン8位に終わりながらも、10月以降のACL(アジアチャンピオンズリーグ)、J1リーグ、天皇杯と続けて行われた公式戦10試合で無敗をキープ。攻守ともに好調を維持しています。特に注目されたのは、リーグ4位の得点を挙げた攻撃的なパスサッカーであり、中盤の軸である脇坂泰斗選手や橘田健人選手がどれだけチャンスをつくるかが試合のカギを握りました。
一方で、11大会ぶりの優勝を狙う柏レイソルは、リーグ戦で苦しいシーズンを過ごし18チーム中17位に低迷。しかし、天皇杯では決勝までの5試合でわずか1失点と堅守を誇り、フォワードの細谷真大選手が14得点を挙げるなど、攻守にわたり力強いプレーを見せました。特に細谷選手は日本代表でも活躍し、ワールドカップアジア2次予選のシリア戦で代表初ゴールを決めるなどしました。
試合は90分を終えても両チームとも得点がなく、延長戦に突入。延長前半には、レイソルのフォワード、細谷真大選手が抜け出して1対1のシーンを演出しましたが、この場面でフロンターレのゴールキーパー、チョン・ソンリョン選手が見事なセーブで危機を切り抜けました。
延長戦になった
そして延長後半には、フロンターレの途中出場選手、バフェティンビ・ゴミス選手がクロスボールに正確に頭で合わせましたが、レイソルのゴールキーパー、松本健太選手が鋭い反応でこれを阻止し、スコアは0対0のままで試合は決着がつかずに進みました。
この激闘の末、試合はペナルティーキック戦へと突入。両チームともに2人が失敗し、10人目まで互いに得点を重ねる波乱の展開となりました。そして、フロンターレはキーパーのチョン選手が冷静かつ確実にシュートを決め、レイソルも10人目はゴールキーパーの松本選手が守備に立ち、しかしフロンターレが8対7で制し、この壮絶な試合を制覇しました。
川崎フロンターレは3大会ぶりの優勝を達成し、2シーズンぶりにタイトルを手にしました。
試合後、川崎フロンターレの鬼木達監督はゴールキーパーのチョン選手の活躍について「1対1を決められていたら、このような結果にはなっていなかった。ゴールを守るというところを評価している」と称賛し、今後に向けて「苦しんだだけ選手は成長してくれているし、タイトルを取り続けなければわからないこともあるので、とにかくタイトルを取り続けていきたい」と抱負を述べました。
選手の語る
キャプテンの橘田健人選手も「1年間苦しい時期もあったが、みんなと喜ぶことができて幸せだ」と感謝の気持ちを述べ、今シーズンにおける大きなタイトル獲得に喜びを示しました。
この天皇杯の決勝では、ゴールキーパーたちの好セーブやペナルティーキック戦の緊迫した瞬間が観客に見どころを提供し、サッカーファンを興奮させました。この勝利により、川崎フロンターレはJリーグ30周年の節目のシーズンにおいて最後の国内タイトルを手にしました。