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 2024/05/05 01:22

U-23韓国代表が直面する挑戦―パリ五輪への道


ファン・ソンホン指揮下のU-23韓国代表、UAE戦で後半の劇的な得点により苦戦を乗り越えて勝利

ファン・ソンホン指揮下のU-23韓国代表、UAE戦で後半の劇的な得点により苦戦を乗り越えて勝利


4月16日、U-23アジアカップでUAE相手に1-0での勝利を収め、日本と共に勝点3を得てスタートした韓国。韓日双方がビッグマッチを前に戦略と現状分析を続ける中、パリ五輪出場へ向けた韓国代表のチーム編成や現在のフォームが注目されている。



長く日本のピッチでプレーしたファン・ソンホン監督が率いるチーム


ファン・ソンホン監督はJリーグでの豊富な経験を持つ実力者で、セレッソ大阪や柏レイソルで活躍し、1999年シーズンの得点王に輝いたことも。彼が2021年9月にU-23韓国代表の指揮をとることになり、大岩ジャパンの発足より三か月早くチームを形成したが、パリ世代の始動はその後の2022年9月だった。


初めのうちは1999年以降生まれの世代を中心に杭州アジア大会を目指し活動し、本格的なパリ五輪世代にシフトしたのはビッグイベントの延期後だった。こうした独特の事情で、ファン・ソンホン監督の下、別称でのチーム編成が行われてきた。パリ五輪代表の活動期間は大岩ジャパンに比べて約1年8カ月と短いが、その間にも着実に経験を積み、昨年のU-23カップや欧州遠征での活動は目覚ましいものがある。



ヨーロッパで活躍する選手が出場できず、直前に計画変更を余儀なくされた


ストークシティのMFペ・ジュノ(右)を含む欧州組三名がクラブの意向で招集を見送ることに。監督にとっては大きな挫折だった

ストークシティのMFペ・ジュノ(右)を含む欧州組三名がクラブの意向で招集を見送ることに。監督にとっては大きな挫折だった


しかし、大会が迫る中、三人のヨーロッパ組選手の招集を断念せざるを得ないという状況が生まれた。U-23アジアカップの開催期間は国際Aマッチデーではなく、選手たちをクラブから招集する権限は通常より限られていた。ファン・ソンホン監督は事前に選手たちが所属するクラブと交渉を重ね、MFペ・ジュノ(ストーク)、MFヤン・ヒョンジュン(セルティック)、DFキム・ジス(ブレントフォード)などを中心とした交渉を行なっていた。


しかし、4月になるとチームの事情変更で彼らの招集は不可能に。これにより、国内クラブの選手を急遽招集する事態となり、MLS所属のMFチョン・サンビン(ミネソタ・ユナイテッド)も初戦前日にかろうじてチームに合流した。


ペ・ジュノなど、直前に参戦できなくなった三名は、大会の中心選手として大いに期待されていたが、彼らの不在は国内に不安感をもたらし、「ファン・ソンホン号に非常事態」「パリ行きの信号が赤に」「主力の不在」などと報じられた。


2002年のワールドカップ出場経験を持つイ・ヨンピョ氏も、「今大会は今までとは事情が異なる」と厳しい目を向けている。

「日本、サウジアラビア、ウズベキスタンが韓国より強く、オーストラリアやカタールも同等の力を持つとみられる。客観的に考えても、韓国の上位3位入りは容易ではないと言わざるを得ない」とした。



多角的なアプローチ無しでは勝利は遠のく


開幕戦の勝利はあったものの、韓国国内では懸念を示す声が多い。スポーツメディアOSENは、戦術の単調さが際立った攻撃を指摘し、斬新さに欠けるパターンで唯一の得点を決めたことを報じた

開幕戦の勝利はあったものの、韓国国内では懸念を示す声が多い。スポーツメディアOSENは、戦術の単調さが際立った攻撃を指摘し、斬新さに欠けるパターンで唯一の得点を決めたことを報じた


UAEとの対戦で後半アディショナルタイムに決勝点をあげるも、試合内容には厳しい目が向けられた。不運にも得点を2回取り消されるという出来事があったが、シュート数やゴール支配率で圧倒しつつも苦戦を強いられた試合だった。


特に、スポーツメディア『OSEN』はスタイルの単純さを批判。「クロスからのヘディング」という得点法で勝ったとしても、レベルの高い相手に対してはこのような攻め方は通用しないと警鐘を鳴らした。「特に日本のような相手には」との表現で、韓国の戦術の改善が求められている。


SPOTV NEWSなど他のメディアも「これで日本に勝てるのか」と報じているが、韓国でも注目されているのが大会最後の日本戦である。選手たちもライバルとの対決に対する意志を固くし、韓国サッカー協会(KFA)によるアンケートでは、代表選手全員が「最も勝ちたい相手」として「日本」と回答。


メディア対応でもMFホン・ユンサン(浦項スティーラーズ)は「日本との勝負には多く負けてきたが、次は必ず勝たなければならない」と力説。副キャプテンのDFファン・ジェウォン(大邱FC)は、「日本は強敵だが、過去の杭州アジア大会で勝っている」と勝利に対する自信を見せ、FWアン・ジェジュン(富川FC 1995)も「日本戦はいつも盛り上がる。負けるとは考えていない」と力を込めた。



サッカーを通じた五輪出場は韓国の夢


五輪出場は韓国にとって絶対的な命題と捉えられている。ファン・ソンホン監督は「優勝を目指す」と強い意志を表明

五輪出場は韓国にとって絶対的な命題と捉えられている。ファン・ソンホン監督は「優勝を目指す」と強い意志を表明


元U-17韓国代表監督であり、現在はKFA専任指導者のビョン・ソンファン氏は、大岩ジャパンの視察と分析のため3月に来日しており、日韓戦に向けて念入りに準備をしている模様。


ファン・ソンホン監督自身、2歳下のU-21日本代表に完敗し、準々決勝で敗退した前回の屈辱を今は晴らそうとしている。最終節前の結果次第で、両チームが決勝トーナメント出場を決めている可能性もあるが、「ライバルには絶対に負けられない」という意志が韓国側にはある。


兵役問題が絡む五輪の出場は韓国にとって特に重要で、他の球技種目が五輪出場を逃した中で、男子サッカーが「最後の希望」とされている。


代表チーム全員で精一杯の努力をすると前向きな姿勢を見せながら出発したファン・ソンホン監督は、「優勝を目指して戦う」と宣言している。一つの国の夢と期待を背負って立つ彼の指揮するチームは、次のステップである五輪の舞台に立つことができるだろうか。