ヌエバ・コンキスタ:久保建英の活躍によりレアル・ソシエダがカディスを退け2-0
アノエタのファンたちが約三ヶ月ぶりに勝利の喜びを共有
ラ・リーガ第29節でレアル・ソシエダ(通称ラ・レアル)は本拠地で降格圏のカディスとの一戦を迎えた。前節、グラナダ戦での勝利が勢いをもたらし、今季のチャンピオンズリーグ及びヨーロッパリーグの出場を巡る重要な”後半10ゲーム”への挑戦となる。休息明けの久保建英は右サイドに位置する自らの地位を再び確立するべく、先発に名を連ねた。過去のカディス戦での厳しい体験をばねに、レアレ・アレナで見返すチャンスを求めた。
ホストチームのラ・レアルは、試合開始からベッカーが左サイドで見せる動きに呼応しパスを供給。中盤に位置したブライス・メンデスが攻撃の要となり、適時に放つミドルシュートでカディスのゴールマウスを脅かす。28分にはオヤルサバルがブライスからのパスを受けてシュートを放つも、カディスのゴールキーパー、レデスマが立ちはだかる。しかし直後、久保による素早いショートコーナーがオヤルサバルの秀逸なヒールパスに繋がり、メリーノが中央で待ち受け、貴重な先制点をネットに突き刺す。
41分にはオヤルサバルが相手のバックパスをカットし追加得点を狙うも、やや慢心からかカディスのGKに阻まれてしまう。また、CKからは久保が挙げたクロスにル・ノルマンが飛翔し、ゴール手前のわずか左外へ。前半終了間際にはハビ・ガランが警告を受けると、イマノル監督は予期せぬ事態に備えてティアニーにウォーミングアップを命じた。このまま1-0のリードを守りきり前半を終える。
後半の幕開けには、カディスの攻撃の牽引役となったのはレアル・ソシエダからレンタル中のロベルト・ナバロ。対峙する久保は味方との連携で若干の不協和音が見受けられ、状況毎にチーム間のコミュニケーションを取り合う場面が見られた。このような状態が続き、67分に久保はピッチを後にする。その1分後、代わりに入ったザハリャンが右サイドからブライスを軸とした優れたパス回しから待ちに待った初ゴールを挙げ、結果を残した。
過酷な日程を脱したラ・レアルは、チーム力の結集を見せつけ試合の主導権を握り続けた。スビメンディと入れ替わったトゥリエンテスは、通常より低い位置の中盤でプレーしながら、チームの流れをスムーズにし攻撃の起点となっていた。試合終了間際にはザハリャンからのパスをトラオレが受け、力強いミドルシュートを披露するものの、レデスマがこれをセーブし得点には至らなかった。フルタイムの笛が鳴り、ラ・レアルが2-0で堂々の勝利を収めた。
長らく歓声の途絶えていたホームでの完璧な勝利によって、ファンたちは充実した週末を過ごすことができたはずだ。試合終了後、かつての因縁を残したアルカラスが久保と深い会話を交わし、温かい抱擁で互いの健闘を称えあう一幕があった。国際マッチウィークに派遣されるスペイン代表5選手を含むこの節で、ラ・レアルはリーガの6位を固め、リーグ戦の一時中断を迎える。次の対戦は31日に敵地でデポルティーボ・アラベスとの試合が控えている。