MVPと新人王と同時受賞の選手 村上頌樹
今シーズンのMVPを紹介してます
村上頌樹は、兵庫県三原郡南あわじ市出身の右投左打の投手で、現在は阪神タイガースに所属しています。彼は開幕からの連続イニング無失点記録保持者であり、WHIP歴代最高記録も誇っています。
いままでの軌跡
2023年4月1日の対横浜DeNAベイスターズ戦(京セラドーム大阪)では、2シーズンぶりに一軍登板を果たし、先発の秋山拓巳をリリーフする形で1回1安打無失点でプロ初ホールドを記録しました。同月12日の対読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)では、2シーズンぶりに一軍公式戦で先発。7回まで無安打無四死球の完全試合状態だったが、1-0とリードした8回表の攻撃で原口文仁を代打として送られ、勝ち投手の権利を持ったまま降板しました。翌登板となる4月22日の対中日ドラゴンズ戦(バンテリンドーム ナゴヤ)では4回裏まで完全試合を演じ、その後5回と8回に福永裕基に2安打を許したものの、9回を投げ切り、10奪三振無失点でプロ入り初の勝利を飾りました。これはNPB史上初です。
その後も安定した投球を続け、5月9日の対東京ヤクルトスワローズ戦(阪神甲子園球場)では、6回まで無失点に抑え、開幕からの連続無失点記録を25イニングに伸ばし、防御率0.00のまま4月を終えました。この活躍により、3・4月度の月間MVPを受賞しました。続く対東京ヤクルトスワローズ戦でも8回無失点の好投で2勝目を挙げ、開幕からの連続無失点記録を記録に伸ばしました。
しかし、セ・リーグ記録の更新がかかった7回にドミンゴ・サンタナにソロ本塁打を浴び、シーズン初の失点を喫しました。それでもその後も調子を崩さず、9月8日の対広島戦(甲子園)では7回1/3を6安打1失点で、自身初の2桁勝利となる10勝目を挙げました。シーズン終盤の対中日戦(バンテリン)では5回2失点で敗戦投手となりましたが、これで自身初の規定投球回に到達しました。
この年は実質一軍初帯同のシーズンでありながら、先発ローテーションを守り抜き、最終的に22試合に登板して144回1/3を投げ、10勝6敗1ホールド、防御率1.75という素晴らしい成績を残しました。最優秀防御率のタイトルを獲得し、阪神タイガースの18年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献し、先発投手陣の柱として定着しました。
個人タイトルと表彰
彼はまた、WHIPが2リーグ分立後の歴代最高となる0.741を記録し、K/BB9.13、被打率.181、クオリティ・スタート18度など、驚異的な安定感で多くの成績を残しました。ポストシーズンでもCSファイナルステージ初戦での先発で勝利投手となり、日本シリーズでも先発を託され、初戦での好投で日本一への一役を果たしました。
11月28日には新人王と最優秀選手賞を受賞し、新人王とMVPの同時受賞は木田勇(1980年)、野茂英雄(1990年)以来となる3人目で、セントラル・リーグ及び入団2年目以降の選手では初めての快挙となりました。また、ベストナインを逃しながらMVPを受賞したのはセ・リーグでは浅尾拓也以来12年ぶりの出来事で、阪神では若林忠志以来76年ぶりの2人目です。
個人タイトルと表彰においては、最優秀防御率1回、最優秀選手1回、新人王1回(史上3人目、セ・リーグ史上初となる最優秀選手との同時受賞)、月間MVP1回、月間JERAセ・リーグAWARD1回、月間タイガースAWARD1回を獲得しました。