大リーグ カージナルスが先発補強とドジャースがヘイワードと再契約
3人目の先発補強、そしてソニー・グレイは3年契約を獲得
今シーズン、先発投手3人の獲得を目指していたカージナルスが、ランス・リンとカイル・ギブソンに続く3人目の先発補強を実現しました。日本時間11月28日、カージナルスはソニー・グレイと3年契約に球団オプション1年を結んだことを発表しました。米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によれば、グレイには3年間で7500万ドルが保証されているとのことです。また、地元紙「セントルイス・ポスト=ディスパッチ」のデリック・グールド記者によれば、球団オプション行使の場合、4年間の総額が1億ドルになると報じられ ています。
現在34歳のグレイは、メジャーで11年間プレーし、5度の2桁勝利を含む通算98勝を挙げている右腕投手です。今シーズンはツインズで32試合に登板し、184イニングを投げて8勝8敗、防御率2.79、183奪三振を記録しました。打線の援護が得られなかったにもかかわらず、リーグ2位の防御率を達成し、ア・リーグのサイ・ヤング賞投票ではヤンキースのゲリット・コールに次ぐ2位にランクインしました。シーズン終了後、FAとなり、複数のチームが彼に興味を示していました。
入団記者会見でグレイは、「カージナルスの一員になりたかった。1年くらい前からずっとそう思っていたんだ。遠征に来るたびにスタジアムの様子を見て、素晴らしい場所だと思っていた」とコメント。「ファンはいつもこのチームをサポートしている。野球の街として、セントルイスの素晴らしさをいろんな人から聞いていた。ここは本当に野球に生きる街だ。そのチームの一員になれることに興奮しているよ」と、カージナルスが彼の意中のチームであったことを述べました。
今シーズンのカージナルスは、規定投球回をクリアした投手がマイルズ・マイコラスしかおらず、先発防御率は5.07でメジャー26位でした。シーズン途中にはジャック・フラハティとジョーダン・モンゴメリーを放出し、シーズン終了後にはアダム・ウェインライトが引退したため、先発投手の補強が急務でした。ジョン・モゼリアック編成本部長は「先発投手を3人獲得したい」と話していましたが、宣言通りにリン、ギブソン、グレイを獲得。マイコラス、スティーブン・マッツと合わせて、来季の開幕ローテーションを担う5人が揃いました。
ヘイワードは1年900万ドルでドジャースからの再契約
ドジャースは自チームからFAとなっていた34歳のベテラン外野手、ジェイソン・ヘイワードと1年900万ドルで再契約することで合意したようです。1年前のオフにカブスから解雇され、マイナー契約でドジャースに加入したヘイワードは、今季になって見事に復活し、4年ぶりに2桁本塁打を達成しました。以前からのリーダーシップも新天地で発揮し、チームにとって不可欠な存在となっていました。
カブスでの7シーズンは大型契約に見合う活躍が難しかったヘイワードですが、今シーズンは主に「対右腕用の右翼手」として起用され、124試合に出場して打率.269、15本塁打、40打点、2盗塁、OPS.813を記録しました。2桁本塁打は2019年の21本塁打以来4年ぶりであり、100試合以上の出場でOPSが8割を超えたのは、メジャー3年目の2012年(ブレーブス時代)以来、実に11年ぶりの快挙でした。
5度のゴールドグラブ賞を受賞している右翼手としての守備でも存在感を発揮し、守備防御点(DRS)とスタットキャストによる守備指標OAAはともに+5をマークしました。ヘイワードの復活により、ドジャースは不動の正右翼手だったムーキー・ベッツを二塁や遊撃で起用でき、チーム全体の戦力向上に大きく寄与しています。
また、ジャスティン・ターナーが離れたチームで、ワールドシリーズ制覇の経験もあるベテラン選手として、ヘイワードは重要な役割を果たしています。彼は新人外野手のジェームス・アウトマンなど若手選手の精神的なサポートも行っており、そのフィールド内外での活躍を見て、今オフは複数のチームがヘイワード獲得に興味を示していました。しかし、ヘイワードは自身の打撃を復活させたドジャースへの愛着や友人フレディ・フリーマンとのプレー環境を重視し、ドジャースに残留することを選択したとみられています。
なお、「対右腕用の右翼手」としてのヘイワードの残留により、ベッツは来シーズンも内野での守備が増えることが予想されています。