大リーグ史上初の満票で2回目のMVP受賞 大谷翔平
今シーズン、大リーグで最も活躍した選手は大谷翔平選手しかいません。そして、16日に発表された大リーグのMVP(最優秀選手)に選ばれ、30人の投票者全員が1位票を投じ、その投票結果、大谷選手が大リーグ史上初の満票の最も活躍した選手に贈られることが決まりました。
大リーグのMVPは、レギュラーシーズンにおいて最も優れたパフォーマンスを見せた選手に贈られます。全米野球記者協会の所属記者30人が投票し、その結果が受賞者を決定します。16日に発表された今シーズンのMVPでは、大谷選手がアメリカンリーグで活躍し、投打の二刀流でホームラン王のタイトルを手に入れました。
大谷選手の2回目のMVP受賞は、おととし以来の快挙で、これにより日本選手としては2001年に受賞したイチローさんの1回を超え、最多受賞記録を更新しました。
また、大谷選手はおととしに続いて、再び記者30人全員からの満票での受賞を果たし、複数回MVPを満票で受賞するのは大リーグ史上初めての快挙となりました。
ランキングでは、2位には打率3割2分7厘、ホームラン33本をマークしたレンジャーズのシーガー選手が、3位にはレンジャーズのシミエン選手が選ばれました。
大リーグ6年目の戦績
大谷選手は今シーズン、大リーグ6年目でバッターとしてはアジア出身の選手として初めてホームラン王に輝くなど、ヒットを打つ一方でピッチャーとしても10勝を挙げ、大リーグ史上初となる2年連続での「ふた桁勝利、ふた桁ホームラン」を達成しました。シーズン終盤はけがで1か月近くの欠場を余儀なくされましたが、その前半の圧倒的なパフォーマンスが評価され、新たに大リーグの歴史にその名を刻みました。
MVPが発表されるアメリカの番組に出演した大谷選手は、バランスの取れたプレーについて、「投打のバランスがよかったと思うし、高いレベルでこなせた。ただ、最後までで試合に出続けられなかったことが心残りだ」と振り返りました。また、自身の魅力について問われると、「野球に集中したいというのが自分のスタイルなので、そのほかのところは後からついてくると思っている。特にシーズン中は野球に集中したいと思っている」と答え、冷静な姿勢を見せました。
エンジェルスのトラウト選手やサンドバル投手など、仲間たちも大谷選手の快挙を祝福し、トラウト選手は自身のSNSで「おめでとう。MVPにふさわしいすばらしい1年だった。誇りに思うよ、兄弟」と大谷選手をたたえました。
投票した記者の一人であるレット・ボリンジャー記者は、「欠場があったとはいえ、大谷は総合的に最高の数字を残し、誰よりも最高のシーズンを送った。だから、私にとっては本当に簡単な決断だった」と語り、大谷選手の総合力と優れた成績を称賛しました。来シーズンに向けては、指名打者としての活躍にも期待が寄せられていますが、「指名打者は守備がない分、誰よりも打たなければいけない。MVPになるには、おそらく50本近いホームランを打たなくてはいけないだろう。指名打者だけでMVPをとるのは本当に難しい」との見解も示しました。
同じ受賞したブレーブスの選手
そして、同じとアメリカンリーグでの大谷選手の圧倒的な活躍とは対照的に、WARではナショナルリーグでの競争が激してた。
リーグトップだったのはドジャースのベッツ選手で、WARは8.4でした。一方で、MVPを受賞したブレーブスのアクーニャJr.選手のWARは8.1と僅差でした。
打撃成績では、打率、ホームラン、盗塁などでアクーニャJr.選手がベッツ選手を圧倒しました。ただし、アクーニャJr.選手は外野手でライトを守りましたが、ベッツ選手はライトの他にセカンドでも70試合、ショートも16試合で守り、守備の指標で上回ったためWARでは接戦となりました。
しかし、実際の投票では、アクーニャJr.選手が史上初となる「ホームラン40本、70盗塁」を達成した歴史的な活躍が高く評価され、アメリカンリーグの大谷選手と同じく初のMVP受賞を、満票で達成しました。