セレッソ大阪、ルヴァンカップでの熱戦を制し3回戦進出
川崎フロンターレとの直前のJ1リーグ第8節の激闘からわずか3日後、セレッソ大阪はルヴァンカップの舞台に立ち、いわてグルージャ盛岡に挑んだ2回戦を戦った。この日の先発メンバーは、川崎戦からほぼ一新され、センターバックの鳥海晃司を除く10人が変更された。約1ヶ月ぶりにピッチへ戻った香川真司をはじめ、渡邉りょう、山田寛人、ジャスティン ハブナー、奥田勇斗、阪田澪哉、そしてヤン ハンビンが今季の始動を告げ、新鮮な顔合わせで試合に臨んだ。サブメンバーには清武弘嗣と平野佑一が、今シーズン初めてベンチを温めた。
岩手が5-4-1のフォーメーションで守りを固める中、セレッソは開始から積極的にボールを動かし、斜めのパスや背後への抜け出しでチャンスをうかがった。試合の立ち上がり7分には、香川が右サイドへ鋭いパスを送り、それを受けたジョルディ クルークスが頭で落とし、阪田の提供したクロスに渡邉がダイレクトボレーで応えたが、それはゴールをわずかに外れた。一方岩手からは、セレッソの古豪・都倉賢が鋭いショットを放つものの、こちらもゴール裏へ。ホームチームは相手の堅牢な守備体制に苦戦を強いられ良い形を作り出せずとも、クルークスや北野颯太、香川が危険なシュートを放つなど、前半終盤には押し返し、スコアレスで前半戦を終えた。
後半に入ると、セレッソは岩手からの鋭い攻撃を許してしまう。相手からのサイドクロスに、都倉がヘディングで迫り、ヤン ハンビンが見事なセーブでこれを防ぐ。57分にはセレッソもチャンスを迎える。鳥海からのロングパスを前線で渡邉が競り、こぼれ球を拾った香川が山田へパスするも、最終的にシュートは枠を捉えず、大きなチャンスを逃した。66分には、試合を決定づけると小菊昭雄監督が判断し、レオ セアラ、ルーカス フェルナンデス、ヴィトール ブエノ、舩木翔を立て続けに投入し、試合の流れを変えようとした。そうした中、ブエノが精巧なワントラップから右隅へ見事なショットを決め、チームに先制点をもたらした。
試合終盤には岩手からの攻撃が続いたが、77分のピンチはゴールを外れる結果に終わり、90分のビッグチャンスにはハンビンが再びビッグセーブを見せ、セレッソは苦しいながらもその1点のリードを守り切り、3回戦に駒を進めた。試合後、小菊監督は「目標はひたすら勝つことだった。“勝つこと”に重きを置いた中で、初めから出場したメンバーが自分たちの役割を果たし、詰めの時間帯で入ったメンバーが得点を決め、試合を収めたのが大きく、全員が役目を果たした良い試合でした」と振り返り、良い流れを持続しながら、次のJ1リーグ戦へと進んでいく。