大谷翔平の周囲を明るく照らす笑顔について、ドジャースレポーターのワトソンさんが語る
ドジャース試合中継でサイドラインを務めるキルステン・ワトソンさん、大谷翔平選手にインタビュー
「スポーツネットLA」でドジャースのゲームデイレポーターとして活躍しているのがキルステン・ワトソンさんです。彼女は2020年にミスフロリダUSAのタイトル争いで準優勝するほどの抜群の美貌を兼ね備え、試合日には会場からテレビ中継を務めます。
彼女は、大谷翔平選手がかつてドジャースで活躍したデイブ・ロバーツ監督の持つ日本生まれの選手本塁打記録を更新した際、ロバーツ監督に贈られたポルシェのミニカーのプレゼントアイディアを提案した人物とされています。
ノースウエスタン大学出身で、バレーボール選手として活躍した後、コロンビア大学大学院でスポーツジャーナリズムを専攻するなど、スポーツにかける熱い情熱がある。ESPNでのインターンを皮切りに、NFLインターナショナルでの経験を経て、「スポーツネットLA」へとキャリアを積み重ねてきました。ドジャースのレポーターとしてはこれで4年目を迎え、その背景についても彼女自身が話してくれました。
大谷翔平選手の輝き、レブロンと同じステージに
「NFLやNBA、WNBAの取材も手掛けてきまして、NBAのサウスベイ・レイカーズやWNBAのスパークスを経て、最終的にはレイカーズの正式なレポートも担当していました。まさに地元のバスケットボールチームを総なめしたんです」
バスケットボールの取材からは一時離れたものの、オフシーズン中は今もNFLの現場に戻ります。
「野球のオフシーズンには、NFLのラムズを中心にリポートしています」
レイカーズの担当としては、2019-20のシーズンでNBAチャンピオンに輝いた瞬間を経験。新型ウイルスの影響で制約された中での取材となりましたが、勝利の日はステイプルズ・センターでレポートを行いました。
そのころアメリカでは集会の制限があり、アリーナで大規模なパブリックビューイングが行われることはありませんでしたが、ファン達が自然と集まりを見せる中、チームの勝利と共に花火が打ち上げられたのです。翌年、ドジャースがワールドシリーズを勝ち取っており、ワトソンさんがレポーター業を始めたのはその後となります。
2021-22シーズン、LAラムズもスーパーボウルを制するなど、ロサンゼルス地域のアスレチック界は、一年半の間に3つの主要なスポーツチームチャンピオンを祝福しました。その功績により、ラムズの専属レポーターでもあるワトソンさんは、「スーパーボウルのリングも手に入れました」と話します。
「次はドジャースで勝利の喜びを味わいたいですね」
その可能性は無いとは言えないでしょう。
その際、大谷選手の存在感が更に増してくるとワトソンさんは見ています。
NBAやNFLで取材した沢山のスタースポーツ選手から、「彼(大谷)のまとっているオーラや才能は、レブロン・ジェームズやパトリック・マホームズと同等で、同じ空気を感じるものがあります」とワトソンさんは話しています。
しかし、ジェームズやマホームズの経験したチャンピオンに比べて、大谷選手はまだポストシーズンを経験していません。視点を変えれば、それだけで彼が握る人気が究極であるとも言え、ワトソンさんは、「もしこの先ワールドチャンピオンに輝けば、注目はさらに別の次元に達するでしょう」と予想しています。「ポストシーズンの影響は非常に大きいですからね」。
つまり、まだまだ彼女は大谷選手の人気の増大を予感しているというわけです。
大谷翔平に寄り添うキルステン・ワトソンさんの視点
では、キルステン・ワトソンさんがキャンプ初日から大谷翔平を取材しているわけですが、すでに3ヶ月近くが経過。その中で印象に残ったエピソードについて聞いてみました。
「彼がチームの仲間たちと馴染むやいなや、とてもユーモラスな一面を見せ始めるんですよ。一方で、その集中力の深さには本当に感心させられる。彼の成功は、天性の才能だけでなく、非常に熱心な練習も大きく寄与していますから」
球団専属レポーターとして、他のメディアが入れない場所でも出入りすることが多いワトソンさん。そこで見た大谷は、落ち着いている際には子供のような無邪気な様子で、誰もがその親しみやすい笑顔に引き込まれるといいます。「彼の周りにいると自然と心が和んで、元気をいただけている気がします。彼は本当に気さくで、取材の際にもとても協力的ですね」
プライベートでは、大谷が持っている人間性もチラリと見え隠れします。
「少しも気難しさがなく、心に温かみも感じられますよ。彼の笑顔が周囲に明るさをもたらすエネルギー源で、野球を愛し、家族や犬などを大切にし、自分らしくいることに重きを置いているのが伝わってきます。それは見ていて心強いですね」
ちなみに試合中は、ワトソンさんはダグアウトの隣のカメラ席で見つめています。彼女にとってはとても特別な席で、「選手がホームランを放つと、目の前でのひまわりの種パーティーに参加するような感覚です」と表現します。
「ダグアウトではハイタッチの喜びが溢れています。選手たちは勝利のために情報を共有したり、互いに協力している姿も目撃できるのです」
テレビに映ることもあるそれらのシーンですが、彼女ほどの至近距離にいると、さらに多くのことが見えてくるようです。
そして最後に。ワトソンさんは大谷の囲み取材でいつも一番に質問を投げかける人物です。これは監督や他の選手に対しても同様で、「取材するたびに、いい仕事をしようというプレッシャーで緊張する」と語ります。
「何を問うべきか迷うわけではありません。ただし、リポーターとして最善を尽くしたい。適切な質問をし、相手の答えに真摯に耳を傾けることができてるかという意識からの緊張です。的確な質問を心がけたい。それが私をナーバスにさせます」
野球選手や監督、コーチから信頼を得るためには、野球知識はもちろん、日常から蓄えたエピソードを質問に反映させています。それは選手たちから価値ある言葉を引き出すためで、一つひとつの質問の裏には深い意図が潜んでいるのです。