DeNAアナリストと中東新プロ野球リーグで続く 平田真吾投手の決断?
今年にも多くのプロ野球選手がユニホームで離脱していてた。先に移籍しての進路の選手がいるけど、未だ進路が決まっていない選手がいる。彼らが新たな人生に挑戦する姿を伝えるのが、「第2の人生へプレーボール」です。この特集では、DeNAから球団のゲームアナリストとして新たなキャリアを模索する一方で、中東新プロ野球リーグでの“二刀流”に挑戦する平田真吾投手(34)の重大な決断に焦点を当てます。
平田選手は何度も何度も試練に直面し、心が折れそうになりました。しかし、平田投手は諦めずに、新たな居場所を模索し続けました。その過程で、平田選手が向き合ったのは2022年11月19日。彼は中東を拠点とする新しいプロ野球リーグ、「ベースボール・ユナイテッド」のオールスター・ショーケースに参加するため、妻と2人の子供たちと共にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに飛び立ったのです。
プロの10年目が開幕から1軍登板が叶わず、シーズン終盤を迎えました。今季10月1日、限りでの引退を覚悟した右腕はイースタン最終戦・ロッテ戦に家族全員を呼び寄せました。平田選手は持てる力を全て発揮し、1回を3奪三振の完璧な投球を披露しました。しかしその2日後、球団から戦力外通告を受けました。
平田選手は「最後の2試合がめちゃくちゃいい感じだったので、ちょっと辞めづらくなりました」と述べました。トライアウトに参加し、同時に社会人野球にも視線を向けた彼は、「行けるところまでやりたい」と語りました。しかし、トライアウト直前にインフルエンザに感染し、回復してマウンドに上がりましたが、結果は打者3人に対して1安打1奪三振1四球と不完全燃焼で終わりました。
どこからも声がかからない中、10月末に行われた中東新リーグのドラフトで5巡目指名を受けた彼は、パキスタン最大の都市カラチを本拠とするモナークスへの参戦を決意しました。そして、11月26日の「オールスター・ショーケース」第2戦において、東軍の2番手として登板。2回2失点ながら、勝利投手となりました。
異国の地で初めてボールを握った瞬間。言葉が通じず、「バスに置いて行かれちゃったよ」という出来事も思い出話として語られました。そして、サンドバルやカノらMLBで輝いた選手たちと同じ舞台で野球をすることに、胸が高鳴りました。
帰国のあと
「悔いはない。ちゃんと投げられたし、すごく楽しかった」と語る平田は、帰国後に心境の変化を感じていました。DeNAからのゲームアナリストの打診に感謝しつつ、「野球が純粋に違った。メキシコも行ってみたくなりました」と述べ、国境を越えて野球に挑戦する夢が膨らんでいました。
入団当初は打たれるたびに「もう無理なのかな」と、野球を諦めたくなる瞬間もありました。しかし、食事会場で中畑清監督と2人で反省会をした夜が支えとなり、30歳でオーストラリアのウインターリーグにも挑戦しました。平田がいつだって選んだのは、野球を続ける道でした。
平田は球団に自分の思いを伝えました。「来年のドバイリーグに参加したい」と。球団もこれを新しい挑戦として受け入れました。ゲームアナリストとしての活動と、現役選手としての“二刀流”。最後の最後まで夢を追い求める姿勢を示しました。
「今よりもずっと忙しくなる。でも応援してくれた球団には本当に感謝です。途中で、もし心が折れたら、悔いなく現役引退」と彼は笑顔で語りました。データの収集や分析を通じてチームを支えながら、来秋の中東リーグ開幕に向けての練習は容易なことではないでしょう。それでも、先駆者として、挑戦者として、可能性を切り拓くことに情熱を注いでいます。
選手の履歴
平田真吾は、山口県下関市出身の元プロ野球選手です。
DeNA時代
2022年、手術の影響で春季キャンプから二軍での調整を余儀なくされ、3月の時にも新型コロナウイルスの陽性判定を受けしまって、開幕から遅れての出場となりました。その後、二軍戦で実戦復帰して、4月に一軍登録され、中継ぎとしての登板を続けました。
セットアッパーのエドウィン・エスコバーや伊勢大夢とともに、勝ちパターンの一翼を担いました。続きの巨人戦では、先発の濵口遥大の後を受けて同点の6回に登板し、逆転を呼び込む好リリーフを見せ、キャリアハイとなる4勝目を挙げました。しかし、9月には疲労が蓄積し、自己最多の47試合に登板したものの、防御率は悪化し、一時的に登録を外されました。最終的には4勝3敗10ホールド、防御率4.29でシーズンを終えました。手術を受けた後、契約更改では1000万円増の推定年俸3300万円でサインしました。
2023年、手術から復帰し、二軍での調整を続けまして、一軍に合流しましたが、登板機会は得られず、そして28日に登録抹消されました。
その後も二軍での登板を続け、29試合で29奪三振、防御率2.51の成績を残していましたが、一軍昇格は叶わず、10月に球団から翌年の契約を結ばないことが発表されました。
ベースボール・ユナイテッド
2023年10月、中東・南アジアのベースボール・ユナイテッドのドラフト会議で、カラチ・モナークスより5巡目(全体34位)で指名されました。11月25日のオールスター・ショーケース第2戦では、東軍の2番手として登板し、2イニングを投げて被安打3・2失点で勝利投手に輝きました。しかし、12月2日に現役を引退し、DeNAの球団アナリストとして新たなキャリアを歩むことが発表されました。