山本由伸のドジャースでの初登板が注目されるなか、開幕シリーズへの先発が見込まれる
2月28日、レンジャーズとの試合に先発し、素晴らしいピッチングを披露した山本由伸。2イニングを1ヒット無失点、3奪三振で終えた
ドジャースキャンプでの大谷翔平フィーバー
3月20日、韓国で開幕するドジャースは、早くも2月22日にオープン戦を開始。23日にはホームでの試合があり、球場を歩くファンの熱気に驚かされる。売店の価格も目を引く高さだ。
例えば、水1本は5ドル89セント、缶ビールは15ドル39セント。為替レートを150円としても、水は884円、ビールは2309円になる。球場の価格が割高なのは理解できるが、米インフレと円安の影響が高くつく。
チケットは外野芝生席で37ドル。諸経費を含めると45ドル程度で、日本円で6750円もする。ホテル泊も現地価格で高率だ。
大谷のキャンプにも苦労が絶えないが、そのキャンプ地では日常的に日本語が飛び交う。ロサンゼルスからは車で約5時間、現地に住む日本人も多いが、日本から訪れるファンも少なくない。23日には約2200人のファンが来場した。
イチローや松井秀喜の時代も大変だったが、これほどの人出は記憶にない。大谷が2018年にエンゼルス入団した時も盛り上がりを見せたが、今回のドジャースの人気は別格のようだ。
開幕2戦目の山本由伸の登板が有力とされる
先日、大谷がホームランを打ったにも関わらず、山本由伸に対する評価が高まっている。もとより、韓国で行われる開幕シリーズの2戦目での先発が期待されている。開幕戦の先発予想は、タイラー・グラスノー。これは2人への期待が非常に高いことを示している。
もちろん、韓国でのシリーズは特別な位置付けで、4~5イニング投げれば十分とデイブ・ロバーツ監督。長いシーズンを考慮し、開幕2試合は他の試合とそんなに変わらないという。しかし、未経験のボビー・ミラーや怪我のジェームズ・パクストンには任せられないため、ロバーツ監督も半ば認めている。
「その2人が先発するというのは、妥当な予想だ」と言いつつ、開幕2試合に合わせて調整を急がせることはない。むしろ、シーズン通して活躍できるような調整が求められる。パドレスのオープン戦2戦目はおそらくダルビッシュ有だろう。
注目される山本由伸の独自のトレーニング方法
キャンプイン以降、山本が取り入れている独特の調整法が注目されている。肩手術から復帰予定のクレイトン・カーショウもやり投げトレーニングに関心を示し、山本がトレーニングを始めると他のピッチャーも注目する。
さらに、彼のユニークな投球フォームはバッターにとって戸惑いがあるはずだ。フレディ・フリーマンは山本のメカニックの特徴を説明している。
身長の低さが不利とされてはいるが、山本にとっては逆に利点になりそうだ。例えば、彼の球の縦の変化量は18−20インチ(45.7〜50.8センチ)で非常に高い。
山本のリリースポイントが低く、角度がないにもかかわらず、最新の大リーグではその特性が効果を発揮している。公にはされていないが、彼のVAAは非常に低いことが予想される。
山本由伸とトレバー・バウアーからの学び先日のレンジャーズ戦で好投した山本は、これから何かを感じ取るかもしれない。
山本由伸の配球に学んだバウアー
山本の投球スタイルでは、他の投手と比べてリリースポイントが低く、その結果、角度がないとされます。しかし、最近の大リーグでは、特に高めの真っすぐにおいて、この角度のなさが効果を発揮すると考えられています。具体的なデータはまだ公にされていませんが、山本の投球のバーティカル・アプローチ・アングル(VAA)はかなり低いのではないかと推測されています。
先日のレンジャーズ戦で好投した山本は、これから何かを感じ取るかもしれない
山本由伸は現在、相手の軌道やメカニックに対する適応が進んでおり、打者の反応から読み解く能力が重要になる。「読解力」が試されている状態だ。
2月の終わりに初めてマウンドに上がった山本は、わずか2イニングを投げただけで終えたが、その短い時間でも重要なインサイトを掴むことができるはず。彼が対戦したバッターたちは山本のユニークなピッチングスタイルに、今後どう適応していくのか。それと同時に、山本自身も打者たちの反応から何を学び取り、どのように自分のピッチングを調整していくのかが注目される。
シーズン中、山本のパフォーマンスと調整がどのように進化していくかが興味深い。開幕に向けてこの経験を積むことが非常に重要であり、彼がこの期待をいかにして肩に乗せ、成功につなげていくかが見どころである。
ドジャースでの彼の役割は大きいとされ、特に野球界からも、メジャーリーグ内でも高い注目を集めている。これから訪れるマウンドでの彼の表現や、打者との駆け引きは、山本由伸がメジャーリーグにおいてどの位の成果を上げられるかの大きな指標になるだろう。
山本由伸の「読解力」やピッチングに対する理解が、今後の彼のキャリアの中で、重要な役割を果たすことは間違いない。彼がこのシーズンにどれだけ進化し、成長を遂げるかは多くのファンが見守っているところである。
山本由伸の「読解力」という観点から、彼がこれからどんなパフォーマンスを見せるかに多くの視線が集まる。初めてのライブBPでフリーマンやベッツなどトップレベルのバッターと対戦し、「まだ2月」と前置きしつつ、その経験が非常に有益であったと山本は感じているようだ。
「しっかり振ってきますね。このメジャーのトップのレベルのバッターに対して投球できたことは、すごく良かった」と彼は述べたが、打者たちのスイングからどのように情報を読み取り、それを自分の成長に繋げるかがこれからの課題となる。
2月28日の初登板での限られた投球数は、山本にとって収穫となるのはこれからであり、現在の段階では相手が彼の球種やスタイルに適応している過程にある。しかしその先で、山本はどのように相手バッターのスイングや打席での細かな反応から情報を読み取り、自身の投球へと活かすことができるのか。そして、その「読解力」が最終的に彼の成功を左右する重要な要素となるだろう。
今後の試合やオープン戦を通じて、山本由伸がどのように自身の調整を進めるのか、どのような戦略を持ってマウンドに臨むのかは注目だ。彼の投球に対する「読解力」を備えたプレイが、ドジャースでの彼のポジションを確立するため、さらには成功を掴むためにも中心的な役割を果たすに違いない。