女子U17日本バスケットボールチーム:第1次強化合宿のフルレポート「スピーディーなプレースタイルを目指す。特にガード陣の攻勢がカギ」髙橋優希選手のコメント
女子U17日本代表は、4月15日から17日までの日程で、味の素ナショナルスポーツセンターで2024年度第1次強化合宿を実施した。今年7月13日にメキシコで開催予定の「FIBA U17女子ワールドカップ2024」に向けた準備の一環であり、抽選の結果、日本はスペイン、アルゼンチン、フィンランドと同じ予選リーグに入ることが決定した。
その状況を受けて、日本チームの藪内夏美ヘッドコーチは「国際試合ではどの国と対戦しても、私たちの体のサイズは不利になります。だからこそ、スピードとスペースを大切にしたプレースタイルを貫くことが、我々の強みを活かすカギです」と述べ、これに基づいて選手達の強化にあたっている。
合宿の二日目には、テクニック、身体的な強さ、そして高さを兼ね備えた早稲田大学との対戦を通して初めて実践的なトレーニングが行われた。選手たちにとっては学びとなる一方で、「絶対に相手は我々の準備を破壊しにきます。実際、予想され読まれた動きでは十分なプレーはできなかった」と藪内コーチは振り返る。初対面では早稲田の選手たちの圧力に圧倒されたが、次第に適応し、「我々のプレースタイルを貫くことができた時に見せた良い動きがありました」と評価する。それでも、改善点は明らかで、合宿の最終日には細部に注意を払いながら調整と修正に励んだ。
藪内コーチが強調する「まずは戦う精神」を持って試合に臨んだ清藤優衣選手(精華女子高校3年生)。彼女は「積極的にドライブし攻撃することができたし、ディフェンスでも前からアプローチするなど積極的に位置取りできた」とプレーに自信をのぞかせた。一方で、昨年のエントリーキャンプでは名前がなかった髙橋優希選手(札幌山の手高校2年生)も、「大学生との対戦においても私の得意なジャンプシュートが決まり、自分の成長を実感できました」とコメント。藪内コーチも選手一人ひとりの成長に注目し、それぞれが得意なプレーを通じてアピールする機会を与えている。
今回の合宿には15名の選手が招集され、清藤選手や髙橋選手のように、前年のFIBA U16アジアチャンピオンシップに出場できなかった選手が約半分を占める。チームルールに大きな変更はなく、その理解を深めることが先決と藪内コーチは言う。一方で、前年の女子U16日本代表の経験者たちは、これらのルールに精通しており、その差が実戦で顕著に表れた。「FIBA U17ワールドカップで対戦する世界中の選手は、想像以上に背が高く、体も強く、スピードもある。日本国内での通常のプレーは通用しません」と、国際舞台でのプレーに早いうちから対応するマインドセットが求められている。
清藤選手は、「相手のプレッシャーに負けてしまいやすく、それがミスや点の損失につながるため、この点は世界の舞台でも臨機応変に対応できるよう改善を重ねる必要がある」と述べ、世界レベルでの競争を予見している。髙橋選手は、ポイントガードとして「リバウンドをキャッチした後に迅速に前線へパスを配るなど、テンポのいいバスケを創出する。とにかく積極的にガードが仕掛けるスタイルが必要です」と、より早い判断とプレー創造に取り組んでいた。
合宿を経て得られた具体的な課題をはっきりとし、「相手の初速度をかどうか防げるかがポイントとなります。それには、自ら積極的に身体を張ることが必要不可欠です」とさらなる強化を目指す藪内ヘッドコーチは、選手たちにゲームへの全力投球を促し、厳しい訓練を通して準備を進めていく。
髙橋優希選手がこの1年間で見せた成長
攻守両面にわたり、清藤優衣選手は積極的なプレーを展開