　2024/04/23 13:30

3×3女子バスケットボール日本代表チーム、オリンピック予選強化キャンプをスタート「宇都宮での開催は本当に大きな力になります」と高橋未来選手

　来たる5月3日(金)、栃木県宇都宮のライトキューブで開幕する「FIBA 3×3 ユニバーサリティ・オリンピック予選2」（通称UOQT2）が、パリ2024オリンピックへの出場を賭けた重要な戦いとなります。この目標に向けて、4月18日（木）から3×3女子日本代表チームは強化合宿に入っています。

　過去3月末にFIBA 3×3アジアカップを戦い、準々決勝でニュージーランドに惜しくも14-15で敗北し5位という結果に終わりましたが、栗林未和選手（東京羽田ヴィッキーズ）は、「5年ぶりの3×3では試合感を取り戻すことが出来ました。3×3独特の楽しさや苦しさを改めて実感しました」と語っています。彼女が最後に3×3のコートに立ったのは2019年のFIBA 3×3ワールドカップで、活動を支える伊集南コーチもその頃は現役プレイヤーでした。栗林選手はこの間、ケガに苦しむなど困難も経験しましたが、着実に飛躍を遂げ「今の私が3×3の世界でどの程度やっていけるか、アジアカップで確かめられたことは、自信を持ってこの合宿に臨むための貴重な経験でした」と述べ、完全復活を達成しました。

　前回ワールドカップで1回しかトライしていなかった2ポイントショット（5人制の3ポイントシュートに相当）が3回に増え、そのショットをよりスムーズに決めていたことが彼女の成長を示すものです。「普段、東京羽田で3ポイントショットを練習しているので、オープンなら迷わず打つべきショットです」と栗林選手は自信を持って話します。パリ2024オリンピックの選考が始まったものの、「あまり遠くを見すぎず、足元をしっかりと見定めながら前進したい」と、着実な一歩を重ねる姿勢を崩さず取り組んでいます。

　この強化合宿に唯一、デンソーアイリスの高橋未来選手は「京王 presents Wリーグプレーオフ2023-2024 ファイナル」の舞台に立ったばかりです。熾烈な3試合を戦い抜いたものの、首の皮一枚で初優勝を逃し、その直後の気が重い帰路についたばかりでした。水曜日には一息ついたものの、合宿に即座に加わり、「悔しい気持ちはまだ残っていますが、すでに3×3に集中する時間です。ほんのわずかな準備期間の中で求められていることを素早くキャッチし、5人制での経験を活かしながら、高い集中力で臨むべきです。私はデンソーで学んだプレーを、3×3のコートでも展開していきたいです」と、その熱意を新たにしていました。

　昨年、FIBA U23ワールドカップで日本代表チームを世界のトップ5に導いた偉業は、今も高橋未来選手に刻まれています。国内ランキングで3位、世界ランク80位を誇る彼女は、準々決勝でポーランドに惜敗したことを思い出し、「あの敗北は本当に心に残っています。とても残念でした」と振り返ります。けれど、世界の舞台で得た5位という位置は、彼女にとって大きな自信の源となっています。

「私たちのスピードとスペーシングが保たれると、攻め込むことができ、相手を置き去りにすることができました。終わり良ければ全て良し、決定的なシュートさえ決められれば、勝たない相手はいないと実感しています。U23ワールドカップでの経験は、どこを修正すればもっと上にいけるのかをクリアにしました」と、その経験から得た教訓を次に活かす意気込みを見せます。

　デンソーが主導権を握ったファイナル第2戦では、7,168人もの観衆が試合を見守りました。「大勢の観衆の前でプレーできた経験は、3×3の舞台でも強みに変わります。ファイナルでは圧倒的な緊張を覚悟しましたが、結局は自分に与えられた役割を果たすだけ、そう心の中でモチベートしました。UOQT2も宇都宮開催ということで、地の利を生かしたいです」と高橋選手は述べ、ホームアドバンテージの重要性を強調しました。

「ファイナルで実感したのは、ファンのサポートの力の凄まじさです。チームの状態が思わしくなくとも、観客の応援で大きく巻き返すことができました。宇都宮で行われるUOQT2は、それが大きなプラスとなると確信しています。そこで自分たちのバスケットボールを楽しむことが、私たちの最大の願いです」と、彼女はUOQT2での活躍に向けて意欲を燃やしています。

　このイベントの観戦方法などの詳細については、大会の特設サイトでご確認いただけます。

合宿に集中する高橋未来選手はWリーグファイナルのエネルギーを3×3に転換