小倉ダート1700mでのプロキオンS、波乱の可能性大!?

今年のプロキオンSは小倉ダート1700mで開催されます。そこで、2014年以降に同じコースで行われた重賞・オープン特別を分析してみましょう。いつものように、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを使用します。

1番人気のパフォーマンスは平均的

■表１ 【小倉ダート1700mで行われた重賞・オープン特別の人気別成績（過去10年）】

2014年以降、小倉ダート1700mで行われた重賞・オープン特別は16レースあり、その中には2021年と2022年のプロキオンSも含まれています。これら16レースの人気別成績を調査したところ、1番人気の成績は【2.2.1.11】と平均的で、単勝・複勝の回収率も低かった。勝率は1番人気から5番人気までほぼ一致しています。連対率や複勝率は2番人気がかなり高い傾向があります。

一方、8～10番人気の単勝回収率は100％を超えていました。特に10番人気【3.1.0.11】は勝率20.0％、連対率・複勝率26.7％と良好な成績を示しています。2021年のプロキオンSは9→14→12番人気の順、2022年のプロキオンSは4→14→12番人気の順で決着しましたが、これは偶然の大波乱ではないようです。小倉ダート1700mの重賞・オープン特別という条件自体が波乱を引き起こしやすいと言えるでしょう。

前走1着の1番人気、不振続き

■表２ 【1番人気の前走着順別成績（過去10年）】

成績が芳しくなかった1番人気の前走着順別成績を調査したところ、前走1着【1.0.1.8】が不振でした。唯一の勝利は2023年の阿蘇Sでのキングズソード（前走三宮S1着）だけでした。前走3勝クラスを勝利した期待の新星もいましたが、なかなか結果が出ていません。2021年の阿蘇Sでは、前走プロキオンS（小倉ダート1700m）を勝ったメイショウカズサが6着に敗れました。

2番人気も前走1着は好走なし

■表３ 【2番人気の前走着順別成績（過去10年）】

2番人気は1番人気に比べて好走率は高かったものの、それでも前走1着【0.0.0.3】は好走例がありませんでした。ちなみに、この3頭はすべて前走3勝クラスのダート1600～1700mを勝ち上がったばかりでした。そして、前走2～5着【2.1.3.2】と前走6～9着【0.2.1.2】を比較した場合、単勝は前者が優勢ですが、連対率や複勝率には大きな差はありませんでした。

前走JRA重賞で10着以下の馬、穴馬の可能性

■表４ 【前走10着以下の前走クラス別成績（過去10年）】

前走1着の馬は1～2番人気になりやすいですが、その成績は良くありませんでした。一方で、前走10着以下の馬の前走クラス別成績を調査したところ、JRA重賞【2.2.1.15】が勝率10.0％、連対率20.0％、複勝率25.0％とまずまずの成績を示していました。単勝回収率225％、複勝回収率234％と、馬券としても魅力的です。

2021年のプロキオンSで1着（9番人気）になったメイショウカズサは前走アンタレスSで15着、2022年のプロキオンSで2着（14番人気）になったヒストリーメイカーは前走平安Sで15着と大敗していましたが、一変しました。他の好走馬も含めて成績を調べてみると、過去にダート1400m以上の重賞・OP特別で好走経験があった馬が多かったです。前走で大敗した影響で大きく人気を落としていましたが、一定の実績・実力がある馬が巻き返したと言えます。

【結論】

前走平安Sで10着以下の馬に注目

今年のプロキオンSは、実績馬から新星まで、多彩なメンバーが揃っており、非常に楽しみなレースとなりそうです。中でも、新馬から見事な勝ち方を続け、4戦4勝とまだ底を見せていないヤマニンウルスが大いに人気を集めることが予想されます。ただ、前走3勝クラスの雅Sを勝ったばかりなので、今回のデータからは狙いにくいです。

上位人気に支持されそうな注目馬としては、前走重賞・OP特別で3着以内のハピやデシエルトなどが狙いやすいでしょう。

そして、穴候補となる前走JRA重賞10着以下の出走予定馬はスレイマン、テンカハル、リキサントライです。スレイマンは上位人気になりそうなので、テンカハルやリキサントライの方が穴馬にふさわしいでしょう。特に、2023年の日本テレビ盃で2着、浦和記念で3着の実績があるテンカハルの巻き返し