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 2024/04/14 16:30

【週刊ドラフト展望#01】今朝丸裕喜、大注目される巨腕か? また「高校ナンバー1捕手」と称される箱山遥人への評価は確定か?


アマチュア野球の試合を年間400試合以上観戦し、ドラフトの専門解説も手掛けるベースボールライター、西尾典文さんによる、秋のドラフト会議に向けた優れたアマチュア選手たちの週報が始まります。


西尾さんがピックアップするのは、選抜高校野球で際立った活躍を見せた二選手、報徳学園の今朝丸裕喜と健大高崎の箱山遥人です。彼ら二人のポテンシャルを西尾さんはどう見ているのでしょうか?


*ドラフト評価のバロメーター:

  • ★★★★★5:複数球団から1位指名が濃厚
  • ★★★★☆4:1位指名があり得る可能性
  • ★★★☆☆3:2位以上の可能性がある
  • ★★☆☆☆2:支配下ドラフトでの指名見込み
  • ★☆☆☆☆1:育成ドラフト指名が見込まれる



「鮮やかな変化球と優れたコントロール、速球最高151キロの高校ナンバー1右投手」


まだ若干細身だが、長い腕から放たれる速球と正確無比なコントロールが光る今朝丸

まだ若干細身だが、長い腕から放たれる速球と正確無比なコントロールが光る今朝丸


  • 今朝丸裕喜(報徳学園 3年 投手 187cm/77kg 右投げ/右打ち)

【将来のプロフィール】種市篤暉(千葉ロッテマリーンズ)

巧みに長身を活用し、鋭いフォークボールなど類似点が多い

【推薦する球団】オリックスバファローズ

長身でスマートな高校生の投手が大きく成長していく様をオリックスではよく見るため

【現在のドラフト評価】★★★★☆(1位指名の可能性あり)


選抜高校野球で数々の強投手が現れる中、際立っていたのが今朝丸裕喜のピッチングでした。中学時代は、関西の強豪チーム関メディベースボールヤング(現・ポニー)でプレーし、彼を初めて目にしたのは2年生の冬、甲子園で開催された「中学硬式野球関西No.1決定戦 第6回タイガースカップ」です。すでに当時、長身からの投げ下ろしで、投手としての素質を感じさせる存在でした。ただしストレートの速さは120キロ代前半で、圧倒的なものではありませんでした。報徳学園に進学してからは、1年生の秋から投手陣に名を連ね、昨年の選抜で4試合に登板する実力を持ちながら、ストレートの大きな速度アップはしておらず、130キロ台が中心でした。


そんな彼に対する評価が急上昇したのは、昨年秋に練習試合で150キロを記録したというニュースが広まってからです。残念ながら、秋の近畿大会の彼の投球を直接見ることは叶わなかったものの、映像で確認した限り、選抜大会と比較して明らかに力の強さを増していたように思えます。


今年の3月2日に神戸弘陵との練習試合で今朝丸裕喜の投球を約1年振りに間近で見る機会がありました。まだ体はスリムながらも、彼の体重移動と腕の振り方は格段に進化しており、その日は冷え込む中でも最速147キロを叩き出しました。彼のスタートとして3イニングを無失点に抑え、5の三振を取る圧巻のパフォーマンスを魅せてくれました。スカウトたちは彼の投球について「予想以上に成長しており、選抜大会が心配になるほどだ。このレベルが彼の新基準となれば、その圧力は彼にとって厳しすぎるかもしれない」と話していました。


しかし、選抜大会での今朝丸裕喜は、これらの懸念を払拭するような結果を残しました。初戦では強打の愛工大名電相手に初点を許しながらも、7イニングで1点を守り抜き、逆転勝利のきっかけとなりました。準々決勝では、前年の近畿大会で敗れた相手である大阪桐蔭を相手にしっかりと1失点で完投。準決勝では9回にリリーフ登板し、2点リードを守り抜きました。決勝戦では残念ながら優勝は逃しましたが、健大高崎相手に3失点で完投する見事なピッチングを展示しました。


ストレートの最速は147キロには満たなかったものの、決勝戦の8回に記録した149キロをはじめ、145キロ以上のスピードを安定して記録。速さ以上に際立っていたのはコントロールの素晴らしさでした。綺麗な投げ下ろしで、リリースも安定しており、誤投がほとんど見受けられませんでした。投げた24回1/3イニングで僅か2つの四球を許したのみで、その制球力の高さを示していました。死球も2つ記録しましたが、それは内角を狙った結果でさえあり、攻めの姿勢を見せるプラス要素と捉えられます。変化球も、スライダー、カットボール、フォークボールが打者の手元で急激に動き、ストレートと同じ腕の振りからリリースされるため、どれも有効な決め手になっています。クイックモーション、牽制、フィールディングなど、ピッチング以外のスキルも長身である彼が巧みにこなしており、その訓練されたプレイは目立ちました。


フォームに関しては、一部改善すべき点はありますが、全体的にこれだけスピードとコントロールの高いレベルを備えていると考えると、それはむしろ改善の余地として期待されます。体格についても昨年よりは成長していますが、まだ筋肉の量を増すことができれば、今後の伸びしろに期待できるでしょう。


長身で、速球も安定しており、まだ成長可能性を秘めている点は、プロチームが高校生投手を評価する上で極めてプラスの要素と言えます。今大会での活躍により、彼は1位指名候補として名乗りを上げたと言えるでしょう。



「打撃と強肩を武器に選抜で輝いた、アマチュアNo.1捕手」


春夏を通しての初優勝を引っ張った健大高崎の心臓、箱山

春夏を通しての初優勝を引っ張った健大高崎の心臓、箱山


  • 箱山遥人(健大高崎 3年 捕手 176cm/78kg 右投/右打)

【プロでの比較】木下拓哉(中日ドラゴンズ)

捕手としての風格もあり、強肩とバッティングのパワーにおいて共通点を持つ

【推奨指名球団】東北楽天ゴールデンイーグルス

若手捕手の支配下登録選手がいなく、正捕手の後継者が求められている状況

【現時点でのドラフト評価】★★★☆☆(2位以上指名の可能性がある)


健大高崎が今春夏大会で初の優勝を成し遂げる功労者が、チームリーダーでクリーンナップを担うキャッチャーである箱山遥人です。彼は全国から選抜された優秀な選手が集まるチームにて、1年次の秋から正捕手としての地位を固めました。彼を初めて目撃したのは前々年11月に開催された練習試合「くまのベースボールフェスタ」でのこと、1年生とは思えぬ堂々たるプレイに深く印象づけられました。


その後チームのオフシーズントレーニングを取材する機会もある中で、その時期にはたまたま上級生が修学旅行により不在だったものの、箱山の練習に対する真剣さがチームの核となっている空気がありありと伝わってきました。健大高崎からはこれまでも長坂拳弥(阪神タイガース)、柘植世那(埼玉西武ライオンズ)、是沢涼輔(埼玉西武ライオンズ)、清水叶人(広島東洋カープ)といった多くの捕手たちがプロ入りを果たしており、さらに戸丸秦吾(立教大学)、綱川真之佑(中央大学)の2人も大学での正捕手を務めるほどです。しかし、青柳博文監督は過去の捕手たちと比較しても、総合力では箱山がトップではないかと評しています。前年の選抜でもチームは初戦で敗退したものの、箱山は2ベースヒットを含む2安打1打点として、クリーンナップとしての役割を果たしました。


2年次の秋からはキャプテンを務め、彼自身がセットされたチームは入学時から期待を集めるメンバーが揃い、それでいて成果が出ずに苦しんだ時期も経験しました。キャプテンとしての重圧にいったんは屈しようとも感じたこともありました。そんな苦難を乗り越えたからこそ、関東大会準々決勝での勝利は彼にとっても感涙ものでした。


今大会では、まず彼が光を放ったのはその堅固な守備でした。初戦で学法石川と対戦した際、イニング間のセカンドへの強肩送球で1.8秒台を3回もマークしており、通常は機動力で勝負する学法石川も、箱山の強肩を目の当たりにして盗塁を試みることはありませんでした。また最終回の守備ではバント処理から素早くセカンドへ送球し確実なアウトを取りました。その強肩はもちろんのこと、素早いフットワークも彼の大きなアピールポイントです。リード面では、佐藤龍月、石垣元気といった2年生ピッチャーの特徴を最大限に活かし、完封勝利を支えました。彼は2試合を通じてピッチャーの性格に合わせた声掛けを行うなど、チームに貢献する不可視の価値も提供しています。


打席では2回戦までは静かな滑り出しでしたが、その後準々決勝、準決勝では毎試合3安打を放ち、山梨学院戦での時間差スリーベースもフェンス直撃の豪快な一撃で、ここで新たに導入された低反発バットの影響をものともせず、強烈なパワーを見せつけました。最終成績では18打数8安打、打率.444、6打点と信じがたい数字を残し、確固たる4番としての存在感を示しました。打撃力はもちろんのこと、力任せでないしっかりとしたスイングで堅実にボールをとらえる能力も彼の魅力の一つです。


優勝後のインタビューを通じても、彼の成熟した受け答えと高校生とは思えないほどのコミュニケーション能力がうかがえます。すでに最高級の高校生捕手との声が高まっていた中、この大会によってその評判は揺るぎないものとなったようです。今季は大学生や社会人の層が薄いことから、展開如何によっては彼のドラフト上位指名も考えられるシナリオです。