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 2024/04/24 21:41

MLB公式サイトが認定する大谷翔平擁する最強打線 ドジャースの予期せぬ崩壊は起こるか【ナ・リーグ西地区展望】


左よりドジャースのベッツ、大谷、フリーマン

左よりドジャースのベッツ、大谷、フリーマン


 ナ・リーグ西地区で絶対的な支配者として君臨するドジャースは、11年連続でポストシーズンへ進出し、その内10度が地区優勝だ。地区の覇権を奪えたのは21年に107勝という球団記録を更新したジャイアンツのみ。ドジャースの大躓きがなければ、他のチームは奇跡を起こさない限り、ドジャースの牙城を崩すことはできない状況だ。今シーズンもドジャースが地区優勝争いを牽引すると見られている。


 100勝と昨シーズンのリーグ第2位を記録したドジャースは、大谷翔平(10年7億ドル)、山本由伸(12年3億2500万ドル)を獲得し、他球団を圧倒する補強を行った。また、テオスカー・ヘルナンデス、タイラー・グラスノー、ジェームズ・パクストンらを次々と獲得して、3億ドル超のペイロールで豪華な戦力を形成した。


 前シーズン906得点という強力な打線に、ア・リーグMVPにも輝いた大谷とシルバースラッガー賞を2度受賞したヘルナンデスが加わり、特にムーキー・ベッツ、大谷、フレディ・フリーマンを軸にした1~3番は「史上最強」とも称される。MLB公式サイトはブレーブスを抜いて、ドジャースを「今シーズンの最強打線」と評した。選手たちが怪我無く実力を発揮すれば、驚異的な記録を樹立する可能性も否定できない。


 不安視されるのは、投手陣。トミー・ジョン手術を受けたウォーカー・ビューラーが開幕に間に合わない上、エメット・シーハンも離脱している。そのため、先発ローテーションはグラスノー、山本、ボビー・ミラー、パクストン、ギャビン・ストーンとなっている。


ソウルシリーズ第2戦で登板した山本由伸。1回4安打5失点で敗戦投手になった

ソウルシリーズ第2戦で登板した山本由伸。1回4安打5失点で敗戦投手になった


 シーズン後半には、クレイトン・カーショー、ダスティン・メイ、トニー・ゴンソリンといった投手が復帰する可能性があるが、フルシーズンに活躍できる保証はない。先発陣のパフォーマンスによっては予想外の苦戦を余儀なくされるかもしれない。


リリーフ陣は、ブラスダー・グラテロとブレーク・トライネンが故障者リストに名を連ねているものの、二人ともに長期離脱することはないと見込まれている。クローザーのエバン・フィリップスを中心に、ジョー・ケリー、ライアン・ブレイシア、ダニエル・ハドソンといった経験豊かな投手たちが揃っており、チームが大きく崩れることは予想されない。


加えて心配されるのが、遊撃手としての転向に伴うムーキー・ベッツの負荷の増加である。元々は昨年を全休したギャビン・ラックスを遊撃手に据え、ベッツを二塁に配置する計画だった。しかし、ラックスの不安定な投球が目立ち、勝利を掴むためにはラックスとベッツのポジションを交代させることが最善策と考えられた。守備負担が増えたベッツが打撃で成績を落とすことなく、怪我で離脱することなく、ドジャースが独走する構図は維持されるだろう。



ダイヤモンドバックスは、23年振りの世界頂点を見据えている


ドジャースを追う筆頭と目されているこのチームは、昨シーズンのリーグを制覇している。固定できていなかった三塁には、マリナーズからのトレードでユジニオ・スアレスを迎え入れ、DHの弱点には、右投手に強いジョク・ピダーソン、左投手に打てるランデル・グリチェクを加入させている。リーグ7位と中堅程度だった得点力は、これにより間違いなく増強されたのだ。若手のホープ、ジョーダン・ローラーがメジャーに早くも昇格し、ヘラルド・ペルドモの後継者として正ショートの座を狙うが、これも攻撃力の更なる向上を約束するものだ。ただ、新人の星コービン・キャロルに起こりうる「2年目のジンクス」は少し心配される点である。


投手陣は、ザック・ゲーレンとメリル・ケリーを軸に据える一方で、10勝以上を5回達成している実績のエデュアルド・ロドリゲスを新たに迎えた。昨シーズンのポストシーズンで印象を残したブランドン・ファートも健在で、第4先発までが強固に整っているようにみえたが、残念なことにロドリゲスが左広背筋の故障で開幕に遅れをとってしまうこととなった。復帰までの期間については、まだはっきりしないが、もし長期離脱となる場合、チームの戦力に大きな打撃となるのは確実だ。その間、ライン・ネルソンやトミー・ヘンリーといった若手にステップアップを期待している。


リリーフ陣は、特に大きな補強が見られなかったものの、ケビン・ギンケルを始めとする昨季の主力選手がほぼ残っており、大きな穴は生じそうにない。しかし、昨季途中から加入し、今シーズンは開幕からのフル活躍が期待されていたクローザー、ポール・シーウォルドが左脇腹の痛みでスタートに出遅れ、チームにとって大きな損失となってしまう。


GMマイク・ヘイゼンは「162試合で84勝しか挙げていないチームだ」と、昨年のリーグ優勝チームであっても油断はしていない。「机上の計算ではあるが、昨年よりも良いチームになったと感じている」とオフシーズンの補強に自信を見せている。彼らはドジャースを倒すだけでなく、2001年以来となる23年ぶりの世界一を目指しているのだ。



サンディエゴ・パドレスは、プレーオフに進出するための布陣をしっかりと固め上げた。


サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有がワールドシリーズの第一戦で先発投手としてマウンドに登り、三回の二死満塁のピンチを切り抜けた際には、力強い雄叫びを上げていた。

サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有がワールドシリーズの第一戦で先発投手としてマウンドに登り、三回の二死満塁のピンチを切り抜けた際には、力強い雄叫びを上げていた。


昨季82勝80敗で地区3位という成績を残したパドレスだが、リーグ3位の得失点差+104という数字は、その地力の強さを物語っている。一点差のゲームには苦戦を強いられ9勝23敗という結果に終わったが、チームは一躍勝利数を伸ばす可能性を潜めている。


オフェンスではフアン・ソトをトレードで手放したものの、ザンダー・ボガーツやマニー・マチャド、フェルナンド・タティスJr.などの才能豊かなプレーヤーが名を連ねる。ジャクソン・メリルをはじめとする新しいタレントたちも台頭しており、上位の打順がやや精彩を欠くものの、スタープレイヤーたちが能力を発揮すれば、リーグ6位となった前シーズンの752得点を超えることは難しいことではないだろう。


一方、投手陣ではブレーク・スネルやマイケル・ワカ、セス・ルーゴ、ジョシュ・ヘイダーといった主力が去り、ペイロールの削減によって大物FAの獲得が難しい状況にあった。それでも、フアン・ソトを放出することでマイケル・キング、ジョニー・ブリトーといった即戦力を手に入れ、先発ローテーションを確保。またブルペンでは、松井裕樹やワンディ・ペラルタ、エニエル・デロスサントスらを加入させ、懸念されていたほどの編成崩れはなかった。


そして3月中旬にはシカゴ・ホワイトソックスとの大型トレードを行い、前年のサイ・ヤング賞の投票で2位に輝いたディラン・シースを獲得したことが決定打となる。ダルビッシュ有、ジョー・マスグローブ、シース、キングといった先発陣は、どの球団にも引けを取るものではない。


このシーズンが不振に終わる可能性も考えられたが、投手と打者を総合すると、十分にプレーオフ進出を目指せる戦力がそろっている。特にジョシュ・ヘイダーが抜けたブルペンの強さが、チームの成否を大きく左右することになるだろう。



サンフランシスコ・ジャイアンツが先発ローテーションに潜む不確実性を抱えている状況だ。


ジャイアンツはこのオフに大物選手の獲得に挑んだが、大谷翔平や山本由伸を手にすることは叶わなかった。それでも、豊富な資金力を活用し、李政厚(イ・ジョンフ)、ホルヘ・ソレア、マット・チャプマン、そしてジョーダン・ヒックスといった才能を招き入れた。トレードでは、トミー・ジョン手術からの回復を目指す2021年のサイ・ヤング賞受賞者ロビー・レイを獲得。さらに春先には、前年のサイ・ヤング賞候補者ブレーク・スネルを獲得するなど、補強の大団円を飾った。


オラクル・パークのピッチャーフレンドリーな環境を背景に、昨年のジャイアンツ投手陣はリーグ3位となる4.02の防御率を達成している。その中で、スネルとヒックスが加入し、アレックス・カッブとロビー・レイがシーズンの途中でチームに戻ることを期待されているため、今年の投手成績は昨年を上回る可能性を秘めている。ただし、ローガン・ウェブ抜きでオープン戦を戦うと、精彩を欠くとの心配も。成績が未定の若手投手カイル・ハリソンや、不確実性のあるヒックスとスネルを含む先発陣には疑問符がついている。


ブルペンでは、クローザーのカミロ・ドバルと、信頼のおけるタイラー&テーラーのロジャース兄弟による勝利の確固たるパターンが構築されている。また、後半戦にはローテーションに戻ったカッブとレイを見込んで、余剰の先発ピッチャーをリリーフに配置することも可能になるだろう。


ジャイアンツが直面する主な挑戦は、前年にリーグ14位となる674得点に留まった攻撃力の向上である。2004年にバリー・ボンズが記録して以来、シーズン30ホームランを超える打者がいない中で、新加入のホルヘ・ソレアには過去を払拭する役割が期待されている。先頭打者としての李政厚(イ・ジョンフ)やクリーンアップバッターのマット・チャプマンを含む新戦力が予想通り機能すれば、得点力は前年のようにリーグ下位に留まることはないだろう。ドジャースに挑むことは厳しいとしても、ダイヤモンドバックスやパドレスと肩を並べる「第2グループ」を形成するに足る力は備わっている。


一方で、過去2年連続で最下位を経験しているコロラド・ロッキーズは、今シーズンも困難が予想される。前年の新人でありながら20ホームランと20盗塁を達成したノーラン・ジョーンズのように魅力的な選手もいるが、チーム全体で見ればナショナルリーグ西地区内で明らかに競争力に劣る。通常であればローテーションの要の位置にいるはずのヘルマン・マルケスとアントニオ・センザテーラが、共にトミー・ジョン手術により戦列を離れているのは痛手である。


前年は球団史上最悪の103敗を記録したが、他の4球団が見せる充実ぶりを鑑みると、昨年を超える敗戦数を積み重ねることは驚くべきことではない。シーズン100敗を免れることが実際的な目標となるかもしれない。