オンラインカジノ おすすめ カジノ無料ゲーム 入金不要ボーナス 最新
 2024/03/19 16:25

スポーツセーフティーの重要性、SCS推進チームの佐保豊氏が強調する選手と来場者への安心・安全の確保



日本のスポーツ環境における「安全」の軽視


スポーツセーフティーにおける専門家である佐保氏は

スポーツセーフティーにおける専門家である佐保氏は


「『無知』と『無理』。スポーツの世界において、人間が犯すミスやエラーは、その原因とされています。やってもよいことか、悪いことか、いつ止めるべきか、無知から無理へとつながってしまう。知識があれば予防できた事故やケガは数多く存在します。」


佐保氏はBリーグが推進する「SCS推進チーム」でスポーツセーフティーを担当しており、米国での経験を活かして2007年にNPO法人スポーツセーフティージャパンを設立しました。そのきっかけは、日本におけるスポーツ安全体制の不備に対する不安からでした。制度や規則は整っていますが、選手のケガや事故に対する具体的な対策が不十分であり、欧米との違いに驚かされました。アメリカでは訴訟社会であり、スポーツでの事故やケガに対しても予測可能なリスクに対処するための対策が取られています。そのため、スポーツを安全に行う環境である「スポーツセーフティー」が重要視されています。


スポーツセーフティーの最も重要な側面は、死者を出さないことです。スポーツでの死亡事故のほとんどは、「トリプルH」と呼ばれる心臓、頭部(および首)、熱に関連するものであり、ほぼ9割を占めています。特に心臓の問題が多いです。試合中に心停止が起こった場合、AED(自動体外式除細動器)があれば命を救うことができます(※Bリーグでは全試合でAEDの準備が義務付けられています)。しかし、それを取りに行く人、救急車を呼ぶ人、倒れた選手に対処する人を明確に決めておかないと、時間が失われる可能性があります。救急機関に早急に連絡することが重要です。そのために、佐保氏はB1、B2全クラブにEAP(緊急時対応計画)を指導しました。これは、ケガや事故が発生した場合に、誰が何をするかを事前に決めるルールの作成です。


EAP(緊急対応計画)では、3つの行動方針が提示されています。

EAP(緊急対応計画)では、3つの行動方針が提示されています


EAPでは、「知る」「備える」「整える」という3つのアクションを掲げています。「知る」ための正確な知識を得ることが第一です。AEDの使い方を知っているだけでは意味がありません。そのためには、必要なものを備えることが重要です。さらに、スタッフが機能するために、役割を決める必要があります。EAPに関しては、計画を立てるだけでなく、実際の試合会場でのシミュレーションを推奨しています。シミュレーションを行うことで、想定していなかった問題点が見つかります。


選手のケガだけでなく、興奮して具合が悪くなる、心臓に問題が発生する、階段から落下するなど、多くの観客の事故も発生しています。Bリーグの規約では、ホームクラブが安全を確保する義務が定められています。そのために、試合前に医療体制や緊急時の対応などを確認する「EAPハドル」を義務化しています。これも佐保氏の提案に基づいています。



安心・安全のノウハウを末端まで浸透させることが最終目標です。


Bリーグ設立直後から関わってきた佐保氏の取り組みがSCS推進チームで活かされています

Bリーグ設立直後から関わってきた佐保氏の取り組みがSCS推進チームで活かされています


選手のケガやトリプルHなどの問題は、どのレベルでも起こる可能性があります。学生スポーツやクラブチームでは専門的なスタッフが不足していることが多いため、コーチや選手が多くの役割を担わなければなりません。


佐保氏は述べます。「EAPも含めてトリプルHのことを学んでいただき、知る、備える、整えるという3つのアクションを自身の現場で見直していただきたいですね。日本バスケットボール協会の公認コーチ養成講習会でもスポーツセーフティーの内容を組み込んでいただいていますし、我々の法人ではどなたでも安全な環境を作れるように教育プログラムを作っていますので、活用していただければと思います。」


佐保氏の法人では、多くの競技団体から安全管理体制に関する相談を受けており、安全な環境づくりについてのレクチャーも行っています。しかし、具体的な行動を起こしたのはBリーグが初めてでした。佐保氏はBリーグ設立直後から関わり、当初は各クラブのトレーナーやメディカルスタッフと協力してCPR(心肺蘇生法)やAEDの講習を行い、安全な環境づくりに取り組んできました。このような試みがSCS推進チームの一環として採用されました。


佐保氏は続けます。「SCS推進チームは、こうした形で選手を守る理想の形です。リーグ全体で障害のデータを集計し、専門家が存在し、安全な環境について追求することができます。バスケットボールにおいて安全な環境とは何かを理解し、そのデータに基づいて効果的な対策を立てることができるはずです。」


佐保氏は最後に言います。「Bリーグは競技のトップリーグですから、ここがお手本になって、ミニバスケットなど末端に浸透していくことが私たちの目標です。いかに還元できるかということも目指してこれからも活動していきたいと思います。」


佐保氏が訴え続けてきたスポーツセーフティーの重要性。それに応えてSCS推進チームという理想の形が出来上がった。今後、他のスポーツをリードする形でBリーグ、そしてバスケットボール界に「スポーツセーフティー」という新たな文化が生まれることになる。