注目される皐月賞:3戦未満馬への焦点
今週末は、中山競馬場で熱い戦いが繰り広げられます:皐月賞の舞台が整う。過去10年のデータを基に、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVの資料を参考にしつつ、レースの傾向を探ってみましょう。
少ないキャリアの馬に注目が集まる
【表1:過去10年の皐月賞キャリア別成績】
過去10年の成績を見ると、2戦の勝利率は11.1%とかなり高めで、3戦馬の連対率が22.6%、複勝率が32.3%と非常に高い成績をみせています。これまで3戦未満を走った馬が非常に優れたパフォーマンスを発揮してきたことがこのデータからもはっきりとわかります。
特に無敗のまま重賞を制覇した馬が有力候補とされており、2019年はサートゥルナーリア(ホープフルSを含む3戦3勝)、20年はコントレイル(ホープフルS等で3戦3勝)、21年はエフフォーリア(共同通信杯を含む2戦2勝)、そして23年はソールオリエンス(京成杯を含む2戦2勝)が優勝しています。
4戦目の成績もまた優れており、勝った馬4頭を含む好走馬11頭が記録されており、単勝の回収価値は103円と非常に好成績です。一方、キャリアが5戦の馬達も悪くない成績を保っているものの、6戦以上の場合は難易度が一気に上がる様子。
前走で共同通信杯またはホープフルS出走の馬が有利
【表2:過去10年の皐月賞前走レース別成績】
次に前走のレースによる成績を分析したところ、共同通信杯【5.0.3.11】は勝率・連対率26.3%、複勝率42.1%で単勝と複勝回収値がそれぞれ281円および106円と非常に印象的な結果。ホープフルS【2.0.0.2】は参加馬4頭の中で勝率50.0%を達成。
弥生賞(ディープインパクト記念)【0.5.2.33】やスプリングS【1.1.2.33】は参加馬が多いものの、その成績はごく平均的。京成杯【1.0.1.4】や毎日杯【1.0.0.6】、朝日杯フューチュリティS【0.1.0.2】のような他の重賞出走馬に注意を向ける価値があるかもしれません。
近年は早期に賞金を稼いだ後、余裕を持って皐月賞に挑むことが好まれているようです。これが影響して、弥生賞ディープインパクト記念やスプリングSでのレベルが下がり、本番での成果に繋がりにくい傾向にあるようです。
弥生賞組の前々走を見るべき
【表3:前走弥生賞組の好走馬2走前成績、過去10年】
弥生賞ディープインパクト記念組は、好走率は概ね平均ではあるものの、実は2着5頭、3着2頭を輩出し、強力な対抗馬の位置づけにあることが明らかに。この好走馬7頭の前々走の成績を見ると、ホープフルSや共同通信杯で4位以内に入れていた馬が多かったのです。ドウデュースは朝日杯フューチュリティSで1着、ダンビュライトはきさらぎ賞で3着、そしてマカヒキとドゥザワールドはオープン特別の若駒Sで勝利を手にしています。これらのデータから明らかなように、2走前に1勝クラスのレースしか走っていない馬は1頭もおらず、レベルの高いレース実績を持つ馬が前走で優位に立っています。
【結論】
勝無敗のジャスティンミラノとビザンチンドリームに期待
今年の皐月賞では、勝ち馬はもとより予想が非常に難航しそうなレース。しかし、キャリアを重んじるならば、ジャスティンミラノとビザンチンドリームに注目です。前者は共同通信杯で、後者はきさらぎ賞でそれぞれ勝利を収め、2戦2勝という素晴らしい成績を誇っています。中山芝コースとの適性がキーポイントではありますが、真に強い馬ならばこんな障害も軽々と乗り越えてくるでしょう。サンライズアースも事実上2戦2勝ですが、前走がリステッド競走のすみれSであることが多少見劣りする要素かもしれません。
3戦の注目馬としてはアーバンシックとレガレイラを挙げたいですね。双方ともに中山芝2000mの重賞を経験し、その鋭い末脚で好成績を収めています。
そして弥生賞ディープインパクト記念組からは、特に2着のシンエンペラーに目を向けるべきでしょう。彼は4戦経験あり、そのうち2走前はホープフルSで2着という優れた成績を残しているからです。