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 2024/04/26 21:31

オオタニ・ショウヘイ旋風に広報も緊張、現場は混沌 ルール違反で立入禁止された報道機関も【ドジャースキャンプ現場からのレポート】


3月13日、マリナーズ戦に先立ちウォームアップするオオタニ ショウヘイ選手。ドジャースのキャンプ開始日である2月9日以来、彼はいつも注目の的でした。

3月13日、マリナーズ戦に先立ちウォームアップするオオタニ ショウヘイ選手。ドジャースのキャンプ開始日である2月9日以来、彼はいつも注目の的でした。


米国プロ野球(MLB)では、フロリダ州で行われる春季キャンプを一般的にグレープフルーツリーグ、アリゾナ州でのキャンプをカクタスリーグと呼ぶことがある。


果物の生産が豊かなフロリダではグレープフルーツが名高いが、アリゾナを代表するのはやはりサボテンだ。そんな背景から来ている名前である。


しかし、驚くべきことに、ドジャースのキャンプ施設にはグレープフルーツの木が植えられており、その実は格別に美味しい。2月半ばには、セキュリティから「味見してほしい」と言われて試した所、甘さが際立ち、搾ればジューシーなグレープフルーツジュースになると分かりました。


その経験から、ひまを見つけては、肉眼で美味しそうな果実を探すのが、ひとつの日課になりました。


そんな楽しい毎日も終わりを告げ、MLBは3月28日(日本時間29日)に新シーズンを迎えることになる。


チームは3月13日にアリゾナでの春季キャンプを終え、14日には韓国へと移動しました。シーズン開幕後にはカリフォルニア州でエンゼルスと3試合を行い、“第二の開幕戦”へと臨みます。


とは言っても、初日の2月9日からだいたい7週間の春季キャンプは、筆者の記憶が確かであれば、これほどまでに様々な驚きに満ちた取材は初めてです。それはもちろん最近のことだから覚えているだけではなく、その多くはグラウンドの外で起きた出来事だったからです。


ドジャースキャンプ取材の最終話として、そんな裏側をお届けしたいと思います。



選手をしのぐ報道陣の数


キャンプイン初日の2月9日、報道に応じるオオタニ ショウヘイ選手。メディア大勢が彼の元に集まりました。

キャンプイン初日の2月9日、報道に応じるオオタニ ショウヘイ選手。メディア大勢が彼の元に集まりました。


まず初めに目にしたのは、まさにカオスとしか言いようのない取材現場です。ドジャースのクラブハウスはプレイヤーよりもはるかに多い報道機関で溢れ返り、その半分以上が日本のメディアでした。テレビ各局は番組だけに留まらず、取材スタッフを派遣しました。やがて予想された通り、2月15日には「テレビ局は1社につき2人まで」という制限がクラブハウス入り口に設けられました。プレイヤーからのクレームも想像に難くありません。それ以前にも多くのプレイヤーはメディアの立入りが許可されている時間帯を避けるようになっていました。


そんな初期の混乱の中、一部の韓国メディアが許容範囲を超え、入場禁止とされてしまいました。


オオタニ ショウヘイ選手がクラブハウスにいる際、その様子が撮影されました。クラブハウスは選手が取材に応じている時のみ撮影が許可されていて、選手がリラックスしている様子を無断で撮影することは禁止されています。


ドジャースの広報はその映像を削除するよう求めましたが、韓国のメディアはその場で従っているふりをしながら、SNSに投稿をしました。その後はもう、ドジャースのキャンプ施設への入場は許されませんでした。


また、それが影響したのか、オオタニ選手に関する報道を取り扱う際、ドジャース広報は非常に神経質になりました。オオタニ選手がクラブハウスにおり、メディアに開放されている時間には、彼の隣に常に広報が立っていて、ただ挨拶をしようとするだけでも、過剰なほど制止されました。



ドジャース広報の過剰な配慮


3月17日のキウムとのエキシビジョンマッチで、韓国のファンに応える大谷翔平(写真中央)の姿。左側には山本由伸がいる。

3月17日のキウムとのエキシビジョンマッチで、韓国のファンに応える大谷翔平(写真中央)の姿。左側には山本由伸がいる。


 そんなエピソードもありました。


 大谷翔平は2月22日、通常の取材ではなく、サプライズでライブBP練習の後にメディアとの会見を開いたのです。これは事前の予定にはなかったもので、日本とアメリカの報道関係者が「ちょっと時間はありますか?」と尋ねたところ、大谷自身が「大丈夫ですよ」とアクセスを許可しました。


 しかし、この行為が後に問題視され、広報担当者がアメリカの記者たちに対して「これからはそのような形での取材をすれば、今後取材の機会を提供しない」と発言したのです。このことについて、全米野球記者協会のロサンゼルス支部長はドジャースではなく、MLB広報に対して正式に抗議を行いました。


 大谷自身が「取材は断って」と言ったわけではありません。あくまでドジャースの広報が大谷への配慮のもと行動していたのです。そして、その後コミュニケーションの不足が明らかになりました。


 2月の終わりに、大谷はインスタグラムで自身の結婚を発表しました。これはキャンプ中で最も驚くべきニュースの一つでした。それと同時に「明日の囲み取材で対応する」と投稿。しかしながら翌日、広報は最初に「大谷の囲み取材の予定はありません」と記者の質問に答えました。しかし「大谷本人が言っている」と指摘された後にようやく「確認します」と答えました。


 その結果、大谷が施設に到着しクラブハウスに姿を現したものの、広報は何も行動せず、報道関係者が直接大谷に接触しようとした時にはじめて広報が介入。このやり取りの末、無事、記者会見が行われる運びとなりました。


 3月13日の韓国への出発時の取材制限は非常に奇妙でした。前夜、パドレスが先に出発し、その様子は報道陣によって撮影されたのに、ドジャースの出発時には、セキュリティがメディアを追い払いました。おそらく、大谷が妻を連れている可能性があると考え、撮影を避けたかったのだと推察されます。しかし後に球団のSNSには、彼らの写真が掲載されていました。


 しかしながら韓国到着時には空港での取材が許可されていました。バスでの移動シーンの取材だけが制限された理由は今だに不明です。


 キャンプの最終段階では、ドジャース広報の管理も緩和されていっており、大谷も記者との雑談に応じるようになりました。広報が口を挟むこともなくなりました。そのため、出発時の取材制限については理解が難しかったです。


 そして、元通訳の水原一平氏に関する報道についても、大谷本人がメディアに対して「Tomorrow」と言ったことによって、初めてドジャースは取材場を設けることになりました。


 大谷に対する過度な配慮は分かりますが、その根底には代理人のネズ・バレロ氏が球団に「翔平には集中させてほしいので取材を断ってください」と言った状況があると思われます。そして球団広報はそれに従っていましたが、同時に中間で苦労している状況がありました。


 キャンプが終盤にさしかかった際に大谷も記者と雑談に応じるようになったことは述べましたが、最新のこのシチュエーションでまた代理人からの何らかの指示が伝えられていたことは明らかです。そして、新しい通訳が必要でありながら、ガードとしての役割も忠実に果たせる人物が選ばれるのかどうかーー大谷がそれを望んでいるかどうかに関わらずです。