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 2024/05/10 12:07

ジャンタルマンタルの圧勝で【NHKマイルカップ】新たな3歳マイル王に


ジャンタルマンタル、快進撃でNHKマイルカップを制覇し3歳最強マイラーの座を獲得

ジャンタルマンタル、快進撃でNHKマイルカップを制覇し3歳最強マイラーの座を獲得


 この春の3歳マイル王を決める戦い、NHKマイルカップが5月5日(日)に東京競馬場の1600m芝コースで展開され、川田将雅騎手が騎乗する2番人気のジャンタルマンタル(牡3=栗東・高野友和厩舎、父Palace Malice)が見事にトップを飾った。ハナを切って有力な位置から推し進み、最後の直線で他馬を圧倒する力強い末脚で3歳最強マイラーへと駆け上がった。コースは良馬場での勝利タイムは驚異の1分32秒4。


 今度の勝利によりジャンタルマンタルは、JRAでの通算戦績を6戦4勝に伸ばし、22年のGI朝日杯フューチュリティステークスとGIIデイリー杯2歳ステークスにも名を連ねる3つ目の重賞勝利を記録。騎乗した川田騎手にとっては、ダノンスコーピオンの後に再びNHKマイルカップの勝利を手にし、調教師の高野友和氏にとってはこのレースでの初勝利を飾る結果となった。


 注目されていたクリストフ・ルメール騎手が騎乗する1番人気アスコリピチェーノ(牝3=美浦・黒岩陽一厩舎)は、最後の直線で進路が狭まる局面もありながら猛追を見せ2着に入り、2馬身半の差をつけられた。3着にはさらにクビの差で戸崎圭太騎手が騎乗する10番人気ロジリオン(牡3=美浦・古賀慎明厩舎)が食い込んできた。



2歳王者としての走りを見せつける


川田騎手と高野友和厩舎が喜びを共有しウイニングラン、2歳王者の品格を示す圧勝だった

川田騎手と高野友和厩舎が喜びを共有しウイニングラン、2歳王者の品格を示す圧勝だった


 NHKマイルカップの歴史で初、2歳王者と2歳女王が激突するという頂点戦。無敗で朝日杯FSの栄冠を勝ち取り、最優秀2歳牡馬に輝いたジャンタルマンタルが頂上に立った。その上、直線で交錯したとはいえ、最優秀2歳牝馬アスコリピチェーノには決定的な2馬身半の着差をつけた。2歳の王者として、そして文句の付けようがないほどの3歳最強マイラーとしての地位を築いた。


「2歳の牝馬チャンピオンが注目されがちでしたが、我が馬も2歳の王者。そんなわけで、そに相応しい走りを心がけました」と述べた川田騎手。勝利の後の記者会見での彼の発言からは、2歳チャンピオンとしての強固な自負と、単勝2番人気という評価への隠しきれない反発心が伺える。前評判ではやや劣ると見られていたかもしれないが、ジャンタルマンタルはマイルでは誰にも負けないという信念を持って競争に挑んだ。


 名実共に最強マイレーとの呼び声を高めたが、それまでの激戦である皐月賞からわずか2週間。この厳しいローテーションと2度の長距離輸送というのは馬にとっても容易なことではなかったであろう。川田騎手は返し馬での感触を思い返し、「実を言えば、正直しんどいところはありました。前回の皐月賞での走りは距離が長く適性外でしたし、その上で中2週。中山と東京を往復し、その点も踏まえて疲れを癒すことに専念した2週間でした」と語った。



最終コーナーでの自信、勝利を確信


ジャンタルマンタルが直線で豪快に抜け出す、川田騎手の見事な騎乗テクニック

ジャンタルマンタルが直線で豪快に抜け出す、川田騎手の見事な騎乗テクニック


 パーフェクトな出来とはいえなかったかもしれないが、ジャンタルマンタルはスタートから抜群のリズムを刻み、直前の問題であったリズムを取ることに大きな進歩を示した。これは前回2000mの皐月賞での調整の賜物。そしてリズム良くレースを進めたことで、川田騎手はすでに早い段階で勝利の予感を抱いていた。


「スムーズに進めれば良いと考えていました、そして前半のパフォーマンスからも、もう大丈夫だと感じていました。3、4コーナーで既に勝負ありと確信していましたし、残るはただ快適に最後まで走るだけでした」


 最後の直線を堂々と走り抜け、ライバル達を一気に引き離す姿は、まさに「負けることはない」という川田騎手の感覚そのままだった。しかし、この勝利はジャンタルマンタルの力強い走りだけではなく、川田騎手の秀逸な騎乗術にも拠るところが大きかった。内側のアスコリピチェーノと外側のジャンタルマンタルが並ぶ4コーナーから直線にかけて、川田騎手はルメール騎手に外への道を封じ、アスコリピチェーノの行く手を塞いだ。この時点で勝利を掴んだといっても過言ではない。ジャンタルマンタルの猛進と川田騎手の完璧な騎乗が見事に融合した真の勝利だった。



名手の深い自信「古馬相手にも頂点を目指せる」


川田騎手も日本最上位クラスのマイル馬になるジャンタルマンタルに自信満々、「新時代のマイル王」との声も

川田騎手も日本最上位クラスのマイル馬になるジャンタルマンタルに自信満々、「新時代のマイル王」との声も


 今回の快挙で朝日杯FSに続くマイルGIが2つ目となり、その圧倒的な勝負内容と長い着差から、川田騎手はジャンタルマンタルに対し一層の信頼感を寄せるようになった。


「もしこの馬がこれからも体と心の成長を遂げてくれるならば、日本で一番のマイル馬になることも夢ではありません。今はこの年代で頂点に立ちましたが、成長すれば古馬相手にも頂点に君臨する力を秘めていると確信しています」


 名実ともに名ジョッキーとしてのキャリアを積んできた川田騎手の言葉には重みがあり、それは日本マイル界の新たな時代が到来したことを予感させるものだった。



マイルが最適、調教師高野友和は中距離への挑戦も視野に


今後の休養を経てジャンタルマンタルがさらなる力をつけて戻ってくることが期待される

今後の休養を経てジャンタルマンタルがさらなる力をつけて戻ってくることが期待される


 一方で、高野友和調教師は日本ダービーの可能性を残しつつNHKマイルカップを選び、その決断が正しかったことを「勝てば全てが証明される。ここで結果を出すべきだと思っていました」と確信を持って語った。皐月賞後の短い期間でのGIタイトル獲得は騎手や厩舎スタッフ、そしてジャンタルマンタルを支えるすべての人々の共同努力の結果だと、満面の笑顔で表した。


 ジャンタルマンタルのこれからの予定については、一旦休養に入り、秋のレーススケジュールはオーナーらとのじっくりとした相談の後で決定される。距離適性に関して高野調教師は「今はメンタル面で1600mが適当だと実感していますが、馬本来のポテンシャルを考えると、もう少し長い距離にも対応できる」と語り、「ビッグレースは長距離にも多く存在するので、馬が成長次第で距離延長の可能性を検討したい」と、中距離レースへの再挑戦に思いを馳せた。


 とは言え、高野調教師が強調するのはジャンタルマンタルの「天性の才能」そのもの。この不尽蔵なる才能が今後、マイル界の覇者としての地位を不動のものにするのか、あるいは中距離での2階級制覇を果たすのか、今秋、そしてそれを超える未来への期待が膨らむばかりである。