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 2024/04/30 00:15

【天皇賞・春】菱田裕二騎手がテーオーロイヤルで20年越しの夢を実現


天皇賞・春でテーオーロイヤルに騎乗し、GI初優勝を飾る菱田裕二騎手

天皇賞・春でテーオーロイヤルに騎乗し、GI初優勝を飾る菱田裕二騎手


JRAの春の伝統競走、第169回GI天皇賞・春が4月28日(日曜)に京都競馬場3200mの芝コースで於いて行われ、岡田厩舎所属、リオンディーズ産駒の牡6歳テーオーロイヤルが菱田裕二騎手に導かれて見事優勝しました。レースは良好なピッチで進行し、テーオーロイヤルは前方4番手から持ち前の力を発揮し、最後の直線で力強い走りを見せ、タイム3分14秒2で1着に輝きました。


テーオーロイヤルはこれで18戦8勝をマークし、重賞では2022年及び2024年のダイヤモンドステークス、そして2024年の阪神大賞典に続く4度目の勝利を手にしました。菱田騎手と管理する岡田稲男トレーナーはこの勝利をもって、それぞれにとって最初のJRA GIを獲得することとなりました。


2馬身差の2位には菅原明良騎手が騎乗する5番人気ブローザホーンが続き、幸英明騎手が手綱を取る6番人気ディープボンドが半馬身差で3着。一方で戸崎圭太騎手が騎乗する昨年の菊花賞優勝馬、ドゥレッツァは15位でゴールしました。



2004年の天皇賞・春、菱田少年の衝撃と夢への第一歩


20年もの時を経て天皇賞・春でのGI初制覇を成し遂げる菱田騎手

20年もの時を経て天皇賞・春でのGI初制覇を成し遂げる菱田騎手


2004年の天皇賞・春にイングランディーレが圧巻の逃げ切りで勝利を収めた時、小学6年生だったある少年は家族と共にこのエキサイティングな瞬間を観戦していました。その日、騎手を志すことを決意し、夢に向かって邁進した。今やその少年は騎手となり、子供時代からの夢をあの歴史ある淀3200mで遂に叶えることができました。


「4コーナーを回ると、20年前の自分に“それを見ろ”と言いたい気持ちがありました。騎手への道を進むきっかけとなったその天皇賞・春での衝撃に、感謝の気持ちを伝えたいですね。そして、僕を支えてくれた父にも、やっと誇れる結果を見せることができたと思います」


騎手生活13年目、そしてGI戦線での30回目の挑戦において、待望の初タイトルを手に入れた菱田騎手は、32歳という年齢を感じさせないほど生き生きとした笑顔を見せ、20年間の冒険を振り返りました。


その偉業を支えた名馬テーオーロイヤルは、デビューから18戦のうち14戦で菱田騎手と共に戦い、8勝全てをこの騎手とともに成し遂げてきました。これほどまでに絆の深いパートナーとの勝利は、言わば運命的共演でした。岡田稲男厩舎で騎手デビューを飾り、ずっと所属している菱田騎手にとっても、この天皇賞・春の勝利は20年越しの夢が叶う瞬間であり、13年間の師弟関係が結実したGIタイトル奪取でもありましたし、馬と騎手と調教師にとって初のJRA GIの栄冠でした。


心躍る映画のようなドラマが、競馬の世界で実際に繰り広げられたのです。



走りを最優先に、「馬の自然なリズムを優先して」


レース中の落ち着いた追走から、最終直線にかけての圧巻の走り

レース中の落ち着いた追走から、最終直線にかけての圧巻の走り


 マテンロウレオに横山典弘騎手が乗り、積極的な逃げを打つ展開となりましたが、菱田少年が昔目にした光景と酷似しており、偶然の一致とも思えるほどでした。そのマテンロウレオから少し離れた位置に菊花賞のランナーであるドゥレッツァが位置し、そしてその陣営を抑える形でテーオーロイヤルが続いてレースを進めていきました。


「スタート位置がいつもより外枠だったので、スタートが重要だと感じていましたが、良いジャンプアウトを見せられました。その後は一貫してリズム良く走ることができ、テーオーロイヤルの走りを重んじながら進めることができました。レース前からペースには特にこだわらず、馬が最も良いパフォーマンスを発揮できる状況を作ることを心がけていました」と菱田騎手は振り返ります。


テーオーロイヤルにとっては、京都でのレースは初めての試みでしたが、「返し馬の時も観客の盛んな声援に反応することなく、自身を保ち始めていたのが印象的でしたね。そして、馬が集中してレースに臨んでいたことも間違いありません」と菱田騎手は述べます。その一方で鞍上は、JRAでGIを15回獲得している四位洋文トレーナーから淀の長距離コースを攻めるための助言を受けていました。菱田騎手は「四位さんのアドバイスを反映させるイメージ通りに乗れた」とコメントしています。



初GIタイトルには「感謝」の一言


記念すべき初のGIタイトルを獲得した菱田騎手、岡田調教師ともに深い感謝の気持ちを表明

記念すべき初のGIタイトルを獲得した菱田騎手、岡田調教師ともに深い感謝の気持ちを表明


 レースの勝負どころである2周目の4コーナーから最後の直線への突入、そしてゴールに向かう約400mの間、菱田騎手とテーオーロイヤルが圧倒的な力の差を見せつけました。最終直線に入るやいなや、他馬を寄せ付けることなく優雅にその場を制し、王者にふさわしい立派な走りでゴールへと駆け抜けました。菱田騎手はこう述べています。


「レースを通じてとても良い感触を掴み、余裕を持って4コーナーを曲がることができました。直線ではただひたすらにレースに集中していたので、観客の声援は余り聞こえませんでしたが、ゴールを切った後の大きな歓声を受けて、本当にテーオーロイヤルに感謝しています。とても嬉しかったです」と。


感謝の言葉は、師匠である岡田調教師や厩舎スタッフ、過去の騎乗馬のオーナーや関係者すべてに対してのものでした。


「騎手としてデビューしてからずっとGIでの騎乗機会を与えていただき、多くの馬を騎乗してきたおかげで、今日の勝利があります。過去の経験を足がかりにしてきたと感じていますので、関係者全てに、そして競馬馬全てに深く感謝したいと思います」と菱田騎手は感謝を述べます。


今回の天皇賞・春で見せたパフォーマンスは、菱田騎手にとって13年間の努力の集大成だったのです。そんな彼に対し、岡田調教師からは「やり遂げたね」と賞賛の言葉が贈られました。岡田調教師もメイショウハリオで帝王賞やかしわ記念を制覇し、厩舎開設以来23年目にして初のJRA GI勝利を挙げたことに対して、「生産者、スタッフ全員のおかげで勝利を手にすることができました。喜びよりも感謝の気持ちで心が満たされています」と話し、菱田騎手への期待も新たに「今後の成長を期待している」と励ましのメッセージを送りました。



テーオーロイヤル、常識を超越した驚異の馬体


菱田騎手とテーオーロイヤル、グローバルな舞台での躍動が期待される

菱田騎手とテーオーロイヤル、グローバルな舞台での躍動が期待される


今回の京都競馬場でのレースは、4月とは思えない30度を超す夏日にも関わらず、テーオーロイヤルは完走後も何事もなかったかのように冷静な様子を保った。岡田稲男トレーナーがその卓越した心肺能力を賞賛し、「3200メートル耐走がこれほど楽に可能な馬だとは」と評した。


2022年のジャパンカップでの惨敗後、右後肢骨折からの長期回復を経て、昨年末に復帰を遂げたテーオーロイヤル。一般的にはその後も苦戦が予想されたが、むしろ彼はそれを糧に更なる進化を遂げた。6歳になりながら新たな高みに達したそのパワフルな走りに、まず驚かされたのは菱田裕二騎手自身であった。


「普通では理解しがたい、と言うしかないですね(笑)。素晴らしい馬だと思います。信じがたいほどの肺量と、驚異的なスタミナ。今日もあまりロスなくは進められなかったのに、彼は強さを見せつけてくれました」と菱田騎手が語る。


今後の予定については、オーナーと綿密な協議を経て決定する段階にあると岡田トレーナーは述べている。テーオーロイヤルは3000メートル以上の距離で4勝を挙げている正真正銘のステイヤーであるため、秋のメルボルンカップへの参戦という可能性も秘めている。菱田騎手とテーオーロイヤル、こういった長距離で力を発揮する日本競馬の希有なコンビが、やがて淀を越え、世界のステージにその夢を拡げていくかもしれない。