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 2024/03/27 06:05

得点力不足を補うべく補強敢行の中日 強みとなるリリーフ陣を武器に、台風の目になれるか


オフには中田(左)ら、実績のある選手を中心に野手の補強に着手。2年連続の最下位から巻き返しなるか?

オフには中田(左)ら、実績のある選手を中心に野手の補強に着手。2年連続の最下位から巻き返しなるか?


 いよいよシーズン開幕が目前となったプロ野球。1934年の日本プロ野球誕生から90周年のメモリアルイヤーとなる今季、覇権を奪うのはどのチームになるだろうか。春季キャンプ、練習試合を含めた実戦を経て、各チームとも一軍メンバーが固まりつつあるが、もちろん1年間を戦うには開幕一軍入りを逃した選手の存在や若手の突き上げも必要不可欠だ。そこで今回のコラムでは各チームの昨季の「ポジション別得失点貢献」をもとに、新シーズンを戦ううえでのポイントや展望を確認していきたい。貢献度に使用する選手評価は、野手の打撃をwRAA(Weighted Runs Above Average)、守備にはUZR(Ultimate Zone Rating)。投手はRSAA(Runs Saved Above Average)を用いている。いずれもリーグ内の平均的な選手と比較して、打撃・守備・投球でどれだけ得失点に貢献しているかを示した指標であり、本稿ではそれぞれ同一ポジションの平均的な選手と比較している。なお、RSAAの計算式で使用される失点率は実際のものではなく、守備の影響を排除したtRA(True Run Average)を使用している。


 今回、評価に活用した2つの指標(wRAA、RSAA)は、スポーツナビがプロ野球の週間MVPを選出する企画でも活用しており、指標の解説を以下リンクから確認できる。



上位進出には先発4番手以降の躍進が不可欠か


中日投手:2023年得点貢献度

中日投手:2023年得点貢献度


 昨季の得点貢献度が14.8とプラスを生み出した先発陣。ただ、リーグ内順位を見ると4位になっており、今季はさらなるレベルアップが求められる。その先発陣を引っ張る存在として期待されるのが、昨季はともに3年連続となる規定投球回をクリアした小笠原慎之介と柳裕也だ。左右の両輪が1年間を通して安定したピッチングを披露することが、上位進出に欠かせない条件となる。昨季の投手陣でチームトップの得点貢献度を記録した髙橋宏斗は、先発の軸を担うのは当然のこと、個人タイトルを獲得するようなパフォーマンスを見せてほしいところ。


 この三本柱に続いて、ローテーション定着の期待がかかるのが根尾昂。ここまでの練習試合、オープン戦では順調にイニング数を伸ばしてきた。一方、その実戦で結果を残せず二軍調整に回った仲地礼亜も、制球力など課題を改善してチャンスをつかみたい。そしてチームには若手以外の先発候補も多い。昨季トミー・ジョン手術からの復帰を果たした梅津晃大は、力強さを増した速球を武器に大輪の花を咲かせるか。さらに左肘手術からの復権を目指す大野雄大、昨季はローテーションの一角を担った涌井秀章の仕上がりも順調で、途中加入だったメヒアも今季は年間を通した働きが求められる。加えて、育成選手ながらキャンプ一軍スタートで実戦の先発機会も与えられた松木平優太は、二軍で結果を残し続けて一軍の先発枠に割り込めるか。



絶対的守護神を中心とした強力なリリーフ陣


絶対的な守護神であるマルティネスを中心に、リリーフ陣はリーグ屈指の陣営を誇る

絶対的な守護神であるマルティネスを中心に、リリーフ陣はリーグ屈指の陣営を誇る


 リーグトップの得点貢献度27.3をマークした救援陣は、今季もチーム最大の強みになるだろう。その中心的存在は2年連続で防御率0点台と30セーブをクリアしているマルティネスだが、守護神にバトンをつなぐ役割を担う選手にも好投手がそろう。昨季のこの時期は育成ルーキーだった松山晋也は、6月に支配下登録を勝ち取ると、一軍では36試合の登板で防御率1.27をマーク。そして今春には侍ジャパン入りと、一気にジャンプアップを果たした。実績十分の清水達也と藤嶋健人は今季もフル回転の働きが求められ、昨季からリリーフに転向して50試合に登板した勝野昌慶の調整も順調そのものだ。


 他にも6月にトレードで加入した左腕・齋藤綱記、入団から10年連続30登板をクリアしている祖父江大輔、現役ドラフトで加入の梅野雄吾、キャンプは二軍スタートながら実戦でアピールを重ねたドラフト5位ルーキー・土生翔太など、さまざまなキャリアを過ごしてきた投手が一軍枠を争う。また育成選手の中でも、大けがからの復活ロードを着実に歩んでいる岡田俊哉、2月の対外試合で実戦復帰を果たした岩嵜翔といった実績組の再起も待たれるところだ。



バットでの貢献が目立つキャッチャー陣


中日野手:2023年ポジション別得点貢献度

中日野手:2023年ポジション別得点貢献度


 昨季はほとんどのポジションで得点貢献度が低迷した野手陣だが、捕手に関しては攻守のトータルでプラスの数値を記録した。チーム最多の87試合でマスクをかぶった木下拓哉がリーグ平均レベルの活躍を見せたほか、6月にトレードで加入した宇佐見真吾がチーム3位のwRAAを記録して得点貢献度を押し上げた。昨季は6月中旬から8月中旬まで木下が故障で離脱していたこともあり、今季は2人の起用法が注目のポイントだろう。


 近年のNPBでは、自軍の先発投手にあわせてスタメンの捕手を使い分ける起用が増加傾向にあるが、両者の打撃の特性を踏まえると相手先発投手によってスタメン起用を分けることも検討したい。というのも、右打者の木下は左投手に対して、左打者の宇佐見は右投手に対して、それぞれチームトップクラスの打撃成績を残した。リーグワーストの得点数に苦しんだ打線の中で、両者の打力は貴重な存在であり、その強みを最大限に生かすような起用は見られるだろうか。



中田翔の加入で得点力不足を補えるか


 すべてのポジションで得点貢献度がマイナスだった内野陣。その改善に向けて多くの補強を進めた中で、最大の目玉といえる存在が中田翔だろう。ビシエドの不振で大きく落ち込んだ一塁の得点力を向上させる活躍に期待がかかる。一方で、ビシエドは左投手に限っては無類の強さを見せていた。中田は近年故障で離脱することも多く、ビシエドとの併用で良いコンディションをキープしていきたいところ。


 また、今春は各選手がアピール合戦を繰り広げているが、中でもルーキーの辻本倫太郎が新風を吹かせる。オープン戦では思い切りの良いスイングで長打力を発揮しており、攻撃力不足に苦しんだ二遊間で存在感を示している。二遊間の開幕スタメン争いは、ここまで辻本と村松開人が一歩リードしている状況だが、右肩の脱臼から復帰した田中幹也や右肩の故障で出遅れたルーキーの津田啓史、昨季114試合に出場しながらキャンプを二軍で迎えた龍空らの逆襲も待たれるところだ。そして、三塁手では昨季チーム2位の13本塁打を放った石川昂弥の飛躍が待たれるが、オープン戦では持ち味の長打が出ていない。プロ13年目で初めて春季キャンプを読谷で迎えた高橋周平、2年目を迎える福永裕基らの活躍も求められる状況だ。



外野は1枠を競って新戦力、若手、ベテランの争いが激化


昨年チームトップの本塁打を放った細川(写真)と岡林は、レギュラーが決定的。残り1枠の争いが激しい

昨年チームトップの本塁打を放った細川(写真)と岡林は、レギュラーが決定的。残り1枠の争いが激しい


 外野の3枠のうち、昨季チームトップの24本塁打78打点をマークした細川成也と、走攻守3拍子そろった岡林勇希の2人はレギュラーが決定的だろう。細川は貴重な長距離砲として、今季も開幕から自慢の打棒を発揮したい。一方の岡林は、2月のオープン戦で右肩に違和感を覚えて別メニュー調整となっていたものの、先日実戦に復帰しており、開幕には間に合う見通しだ。両者はそれぞれ守備の指標では他チームの選手に遅れを取ったため、打線の中心として打撃での活躍はもちろんのこと、守備面での成長にも期待したい。


 残る1枠の争いが激化する中、レギュラー候補の筆頭は新外国人のディカーソンだろう。レフトの打力はリーグワーストに沈んでいたため、メジャー通算40本塁打のパワーを武器とするディカーソンの打棒にかかる期待は大きい。ここまでのオープン戦では打率1割台にとどまるものの、1本塁打を放ってボールゾーンの見極めに優れたところを示している。このほか、ベテランでは大島洋平、若手では鵜飼航丞や三好大倫、2021年のドラフト1位・ブライト健太といった選手が控える。昨季二軍でリーグ屈指の成績を残したブライトはキャンプで出遅れたものの、先日の春季教育リーグで実戦復帰。激しい争いの中で出場枠を勝ち取れるか注目だ。



勝負の3年目を迎えた立浪監督、台風の目になれるか


 チームの弱点を補うべく例年以上の積極補強を敢行し、逆襲に向けた下準備をしっかり整えた中日。新戦力の存在は既存選手にも刺激を与えており、春季キャンプから激しいポジション争いが繰り広げられている。長年の課題である得点力不足解消に向けては、中田やディカーソンといった主軸候補の活躍はもちろんのこと、大きな穴となっている内野手のバットがカギを握っている。投手陣は強力なリリーフ陣を中心に充実しており、若手内野手の成否がチームの浮上を占う状況だ。


 投打がかみ合った戦いを展開し、セ・リーグの台風の目になれるか。勝負の3年目を迎える立浪和義監督の手腕が問われる。