桜花賞組か、それとも新顔か? - オークスの戦況予測
東京競馬場では続く週末も注目の女性馬によるG1レースが開催される。今回は3歳の牝馬により行われるオークスの番である。過去3年に渡り、春の2冠を達成した桜花賞の勝者たちがいるが、今年は新たな挑戦者がその流れを断ち切るのか。過去10年の統計データを見ながら、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを参考に展望をしていこう。
オークスに向かう適正キャリアは4〜5戦
■図1 【キャリア別で見る成績】
春の3歳牝馬G1レースにおいて、比較的経験の少ない馬の活躍が目立っている。オークスに目を移すと、好走する馬の大多数がキャリア3〜6戦の中から登場していることが分かる。特に4戦か5戦を経験している馬の成績が際立っており、勝ち上がり率も高い。
桜花賞で後方から躍進する馬が注目される
■図2 【桜花賞出走馬のデータ】
桜花賞出走馬に関しては、特に着順と4角の通過順序に注目したい。桜花賞で1〜3着に入った馬はオークスでも上位に食い込むことが多く、桜花賞で4角を1〜4番手で通過した場合は苦戦が続いている。一方で、4角を5番手以降で回ってきた馬が1〜3着に入ったケースが狙い目となる。
桜花賞後方から巻き返す東京好調馬
■図3 【桜花賞4着以下のオークス好走馬と東京での成績】
桜花賞で4着以下だったがオークスで見事に巻き返しを果たした馬も存在する。最近10年の分析では6頭がその事例に当てはまり、そのうち5頭は東京競馬場でのレースではいまだ負け知らずであることが共通。特に、その中の3頭が2月の東京で行われたクイーンCを制している点に注目だ。
フローラステークス出走馬も頭角を現すパターンあり
■図4 【前走フローラS出走馬のデータ】
前走がフローラステークスだった馬については上がり3Fの速さと4角の位置取りが鍵となる。フローラSで1〜2位の上がりタイムを記録したことが、オークス好走馬となる条件であることが観察される。そして、その中でも特に4角で8番手以降だった馬の好走が目立つ。
桜花賞・フローラS以外の道を辿る馬に共通する傾向
■図5 【非主流ローテのオークス好走馬データ】
桜花賞やフローラS以外のレースからオークスで活躍した馬は過去10年で7頭。そのうち6頭には「重賞や1勝クラスでの出走」「1800m以上の芝でのレース」「1〜3番人気での1着」という特徴が共通している。バウンスシャッセも、2走前のフラワーCを1着で飾っており、その前の皐月賞を除けばこれらの条件に該当する。
【結論】
オークスで頂点を目指すステレンボッシュに不安なし
ステレンボッシュ(桜花賞でのパフォーマンスは4コーナーで8番手からの追い上げで1位)とライトバック(同じく4コーナーで18番手から3位に食い込む)は、オークスでも注目すべき存在である。桜花賞を4位以下で終えた馬たちの中で、東京コースで今まで敗れ知らずでクイーンCを制したクイーンズウォークの巻き返しにも期待が持たれている。
フローラSにおいて上がりタイムが1位か2位だったことが必須条件とすると、上がりタイム2位を記録したアドマイヤベルがその条件に適合している。ただし、彼女は4コーナーで6位通過とフローラSでの別の条件「4角8番手以下」には合致していなかった。
過去の桜花賞やフローラS以外のレースからオークスに臨んだ馬たちの中で、「重賞ウィナーやオープンクラスまたは1勝クラスのレース」「1800m以上の芝のレース」「1~3番人気で1位」という3つの条件を満たしたミアネーロ、タガノエルピーダ、そしてエセルフリーダを挙げる価値がある。
そして、前述の7頭のキャリアを振り返ると、ステレンボッシュ、ライトバック、クイーンズウォーク、アドマイヤベル、タガノエルピーダ、エセルフリーダはいずれも4戦または5戦という好走する可能性の高いキャリア数に当てはまる。一方で、ミアネーロは3戦のキャリアで挑むことになる。