分析失利的ヴィクトリアマイル先驅馬匹

今週、東京競馬場で行われるヴィクトリアマイルのレースは、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを活用して過去10年のデータ傾向を検証しました。

先走成績1位の馬が不振に

■表1 【過去10年間のヴィクトリアマイル前走着順別成績】

先走で1位だった馬が、ヴィクトリアマイルで【0.3.0.36】と勝率0％、連対7.7％の複勝率で低迷しています。先走で2位や3位だった馬の成績が良好であっただけに、この結果は予想外です。また、4位や5位の成績も堅調を保持しています。6位から9位、それに10位以下の成績も悪くないことがわかります。

ステップレース勝馬が不振

■表2 【前走1着馬の主な前走レース、過去10年】

先走1位を取った馬の前走を分析すると、ヴィクトリアマイルのステップレースである阪神牝馬Sと福島牝馬Sの成績が振るわないことが判明しました。阪神牝馬Sで1位の馬はヴィクトリアマイルで支持を集めることもありますが、14年スマートレイアーが1番人気で8位、17年ミッキークイーンが1番人気で7位に敗れました。20年サウンドキアラ（4番人気）の好走は例外です。前走中山牝馬Sや京都牝馬Sの勝馬は、連対率や複勝率が高くなっています。

それでも前走の重賞組が有力視される

■表3 【ヴィクトリアマイル前走クラス別成績、過去10年】

前走のクラス別でみると、JRAのG1レース出走馬が【4.1.4.20】で勝率が13.8％、連対率が17.2％、複勝率が31.0％と好成績を収めています。G2出場馬は【4.4.5.67】で13頭の好成績を記録し、最多の走馬数を誇ります。G3では【1.5.1.44】と複勝回収値が248円で優秀です。一方、オープン特別やその他の階級からは目立つ馬は現れていません。結局のところ、前走が海外レースも含む重賞出走馬が一番の注目株です。

先走阪神牝馬S2位から5位までが狙い目か

■表4 【G2出場馬の前走レース別成績、過去10年】

G2レース以降の成績を見ると、阪神牝馬Sからは【4.3.4.57】の成績で勝率が5.9％、連対率が10.3％、複勝率が16.2％となっていますが、先走で1位の馬は苦戦が目立ちます。阪神牝馬S2位～5位の馬を見ると、【2.2.4.18】で勝率が7.7％、連対率が15.4％、複勝率が30.8％となっており、単勝回収値は126円、複勝回収値が110円です。阪神牝馬S出場馬は1位の馬よりも2～5位馬の方が魅力的な狙い目と言えるでしょう。

【結論】

海外での近2走の実績があるナミュールが注目される

昨年のマイルチャンピオンシップ優勝馬ナミュールが重要視されます。国内レースに加え、香港マイル3位、ドバイターフ2位という海外での近2走の強力な実績を持っています。過去10年では、香港マイルを制した日本馬モーリス（15年）、アドマイヤマーズ（19年）、ドバイターフを制した日本馬ジャスタウェイ（14年）、リアルスティール（16年）、ヴィブロス（17年）、アーモンドアイ（19年）、パンサラッサ（22年）が成功を収めました。その実力は高く評価されています。

先走阪神牝馬S組の中で、ウンブライルやモリアーナがわずかな差でマスクトディーヴァを破り、勝利したドゥアイズが0.4秒差の5位であるため、彼らの走りに期待がかかります。