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 2024/04/22 18:41

まさかの大逆転、佐賀ヴィーナスカップでの劇的な勝利を収めた名馬たち/データに基づく分析


2023年の佐賀ヴィーナスカップで圧勝したジュランビル

2023年の佐賀ヴィーナスカップで圧勝したジュランビル


第8回佐賀ヴィーナスカップ(地方競馬全国交流、4歳以上の牝馬限定、ダート1400m)

4月21日、佐賀競馬場第6レース、18時05分発走予定


全国からベテラン牝馬が集結し、「グランダム・ジャパン」というタイトルを争う一連のレースシリーズに含まれています。このシリーズでは順位に応じてポイントを獲得し、シリーズの総合優勝を目指して出走する馬が見られるのが特徴です。以下に2017年から2023年までの過去7回分のデータに基づいて分析した内容を示します。



遠征馬:3着以内の割合が50%を超える馬の所属地は?


この7回の間、大井競馬場の馬が最も多く勝利を収めており、2020年のジェッシージェニーと2023年のジュランビルがそれぞれ単勝3番人気(5.1倍)、4番人気(16.8倍)で勝利しました。他にも兵庫、高知、浦和、川崎からの出走馬は少ないながらも、それぞれ3着内率は50%以上を記録しています。


これらのデータから推測するに、基本的には「南関東4場+兵庫、高知」からの遠征組が優位に立つ傾向にあるようです。


所属別の成績

所属別の成績 -表1



人気馬の傾向:「1番人気+3~5番人気」の組み合わせが多い


単勝人気で見ると、1番人気の馬が3回勝利しています。ただし、過去7回のうち2回は馬券圏内を外れており、2020年はハッピーハッピーが7位、2021年はテーオーブルベリーが5位となり、3連単配当は28,230円、196,540円という波乱含みの結果となりました。


1番人気が3着以内に入った5回はすべて「1番人気+3~5番人気」の組み合わせだったことからも、これが一つの有力な傾向と言えそうです。興味深いことに、2番人気の馬には勝利がありません。


単勝人気別の成績

単勝人気別の成績 -表2



レースの性質:基本は逃げ・先行だが差し馬にもチャンスあり


佐賀1400mは1周が1100m、ゴールまでの直線が200mある小回りコースで、逃げ・先行馬が中心となることが多いです。これらの馬たちは勝率が16.1%、連対率が35.4%、3着内率が48.3%となっています。一方、この競馬場は過不足なくリードを保つタイプにとっては難易度が高いですが、園田競馬場(1周1051m、直線213m)の1400m戦と比べると、差し馬でも勝率6.4%、連対率14.9%、3着内率24.3%と十分チャンスがあります。子細を見ると、佐賀競馬場は差し馬が決まりやすいとも言える状況であり、他の地方の小回りコースと比較しても、こちらの方が良い成績を収めている傾向にあるため、いつものように差し馬を割り引く必要はなさそうです。


脚質別の成績

脚質別の成績 -表3



馬番の特徴:「3番」と「9番」に勝ち馬が集中している


馬番による成績にも興味深いパターンがあり、特に「3番」と「9番」からの出走馬がそれぞれ3勝を挙げています。加えて、「7番」は2位が2回、「11番」は2位3回、「3位1回」という結果を残しています。これらの馬番から勝った6頭のうち4頭は逃げ・先行でしたが、残りの2頭は差しで、それぞれ前半では内側をうまく走り波乱を避けていました。


馬番別の成績

馬番別の成績 -表4



5歳牝馬の優位性


5歳の牝馬がこのレースで4勝を挙げており、勝率、連対率、3着内率ともに他の年齢層を上回る高い数値を記録している。この年齢の馬が持つ馬体の成熟とレース経験が好バランスを生み出しているのだ。ただし7歳以上になると出走する頭数が一気に減少するが、7歳の勝率は侮れず、23年度の優勝馬ジュランビルも7歳のときの勝利だった。


年齢別成績

年齢別成績 -表5



牝馬限定戦での優勝馬を重視


佐賀ヴィーナスカップは創設当初は7月に行われていたが、その後は6月が2回、5月が3回と季節を変えながらの開催となり、昨年からは4月中旬に定着している。このレースへのステップパターンは特定しにくいものの、最近5レースの成績で牝馬限定の重賞戦で好走している馬には一定の傾向が見られる。牡馬が混じる重賞戦での上位入賞歴と比較しても、牝馬限定戦で勝利している馬の成績が目立つ。牡馬との混合レースでの実績が好評価となりがちだが、牝馬だけの重賞を制している事実が重要視される。


直近5走の各馬成績

直近5走の各馬成績 -表6



データ分析による注目馬とは?


①南関東4場、兵庫、高知の馬

②上位人気馬

③逃げ・先行タイプ

④5歳の牝馬

⑤近5走での牝馬限定重賞優勝経験

⑥馬番3、7、9、11番


※ただし、2番人気の馬はこれまで勝利がない点に注意

※差し馬への過度な割り引きは不要であると考えられる


主役と目されるのは恐らくミニョン(高知)だ。約1年前には逆転ファイナルレースで最下位の11着に沈んだが、調教法の変更と騎手の交代をきっかけに一変し、10戦連続3着以内という安定した成績を残しており、前回レースのレジーナディンヴェルノ賞では見事重賞初制覇を遂げた。このレースに向けて早期から調整されてきたが、1400mへの距離変更がどう影響するかがポイント。地元高知でも1400mはやや速いペースで展開されるため、流れに乗れるかが鍵となる。


この馬は5歳であり、3勝を挙げた「3番」枠に入ることから、①②④⑤⑥の全データポイントに適合し、展開次第で先行することも可能と、データ上では完璧な条件を備えた馬と言える。


また、このレースを目指して調整されてきたアンティキティラ(高知)も注目すべき馬だ。比較的軽い馬場や1400m前後の距離を得意としており、22年の花吹雪賞で1位、昨年のこのレースで4位と佐賀競馬場で実力を発揮。最後のレースでは強豪相手に7位に終わったが、得意な距離である今回は巻き返しも期待できる。①②③④に該当する。


クリノメガミエース(兵庫)は前年のこのレースで3着に入った馬であり、1600m以上の距離での強さを見せてきたが、ここでは見過ごせない存在。前回レースであるレジーナディンヴェルノ賞では7位と健闘したが、深い馬場に苦戦した可能性がある。①②④のデータにマッチしている。


プレストエンジェル(佐賀)は船橋から移籍してきた馬で、1年以上勝利から遠ざかってはいるが、このメンバーであれば先行して競争に加わるチャンスがあると見られ、③④の項目に適合している。


⑥番の馬番に関しては、JRA時代にダートグレードレースで実力を示したものの勝ちきれなかったリネンファッション(佐賀)、スピードに長けたアイメイドイット(佐賀)、南関東でかつて期待されながらも光を見なかったカルフレグランス(佐賀)が挙げられる。


第8回佐賀ヴィーナスカップの出走表

第8回佐賀ヴィーナスカップの出走表